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緊張は矛で緩和されるのか

岸田政権については、自慢の外交で内政の脆弱さを補う、そんな文言を何かで読んだ覚えがあるけれど、果たして上手くいったのだろうか。この一年、日本と近隣諸国との関係がどうなったかざっと見ておこう。在京六紙の社説から引用した。

中国、首脳会談で台湾や尖閣に関し「懸念にゼロ回答」(産11/19)。北朝鮮、ミサイルを撃ち込まれるだけで、安保も拉致も「事態打開の糸口をつかめていない」(毎9/16)。ロシア、3月に北方領土交渉の中断を表明、日露漁業協定さえ一方的に履行停止、「理解に苦しむ」(読6/12)。韓国、首脳会談までに「3年を要するのは尋常ではない」(朝11/15)。どの国に対しても意思の疎通が図られていないことはバレバレだ。

この度は、専守堅持の姿勢を一変させた安保3文書を閣議決定。「周辺国との軍拡競争を招き、逆に地域の緊張を高め」かねない(東12/17)。韓国ですら、北への敵基地攻撃は勝手にするなよと釘を刺す。「各国との対話を通じて相互理解を深め、紛争を未然に防ぐ外交の重要性は変わらない。軍事力は最終手段」(経12/17)のはずが、どうやら、首相「自慢の外交」は順番が逆らしい。

国が地域の安定を蔑ろにし続ければ衝突回避は難しくなる。憂慮すべき状況下、玉城デニー沖縄県知事は、20日、自治体外交を展開する考えを示した。「中国や台湾、韓国などへ訪問し、カウンターパートとしての関係構築を継続」「沖縄から地域の緊張緩和への貢献を図っていく」(琉球新報、12/21)。何とも心強い限りだ。爪の垢を煎じて誰かに飲ませてあげてはいかがか。

さて、12/19週、六紙社説が採り上げた話題は、サッカーW杯閉幕、全世代社会保障、刑務所での人権、日銀大規模緩和修正、薗浦衆院議員辞職、COP15生物多様性新目標、子供の発達障害、原発政策転換、米ウクライナ会談、安倍氏国葬の評価、来年度予算案、防衛予算急増などだった。

日曜の関心事、今年分はこれで終了。次は1/1。社説には新年の展望が並ぶことだろう。

六紙社説、日中首脳会談、22年11月日朝平壌宣言20年ウクライナ大統領演説日韓は対話継続を(いずれもサイト内)。日本の反撃能力 野党批判踏まえ「事前協議や同意必要」=韓国大統領室(12/19)、デニー沖縄知事「自治体外交」展開へ 中国、台湾、韓国訪問を検討 アジアの緊張緩和へ「沖縄から貢献」(12/21)

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