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イランとサウジの和解

イランとサウジアラビアは、断交から7年ぶりに和解することで合意。外交関係を正常化し2か月以内に双方の大使館を再開すると発表した。

日経は逸早く社説で採り上げた(経3/11)。「大産油地帯である中東の重要性は言うまでもない。この地域から原油の9割超を輸入する日本にとってはなおさら」と、もちろん経済的な視点だ。

原油のことだけではない。和解を仲介したのが中国であることにも目を向ける。「中国を介したサウジとイランの接近が、ウクライナ危機をきっかけに鮮明になった世界の分断を広げること」にならないか。イラン、サウジ、中国、それにロシアと「非西側陣営が結束を強めれば亀裂は深まる。イラン核問題の解決も遠のきかねない」と。

在京の他5紙社説は沈黙するのかと思いきや、16日以降何本か続いた。やはり「米国抜きの雪解けには懸念もぬぐえない」(朝3/16)と指摘。一つはイスラエルの出方。サウジとイランの接近で「イスラエルが再び孤立感を深めれば、さらに強硬な姿勢をとってイランと衝突しかねない」(同)。もう一つは人権問題。サウジは、人権問題をうるさく言うバイデン政権と距離を置く。「内政不干渉を重んじる中国の実利外交が歓迎された」(毎3/19)。中東での民主化の動きが後退しかねない。

原油の9割を中東に依存する「日本も戦略を練り直す必要がある」「産油国との関係をさらに強固にし、エネルギー調達が不安定化しないようにするべき」(読3/19)。後手に回る。状況に振り回される。よくあるパターンだ。

日本は、サウジ、イラン各々との関係は悪くない。友好的とも言えるだろう。だったら和解を仲介すれば良いものを、なぜそうしなかったのか。中東情勢に対する認識が足りずボンヤリしていたのか、意志がないのか、外交の力がないのか。いや、認識や意志も能力もあるけれど中国に先を越されただけなのか、それとも、米国の手前、勝手なことはできなかったのか。それを教えてくれる社説はない。

さて、3/13週の六紙社説は、そのほかに、袴田さん再審へ、習政権3期目始動、大江健三郎死去、米銀行破綻と金融不安、ガーシー氏除名、豪に原潜配備へ、放送法問題、黒海上で米露軍機接触、春闘高水準回答、国枝選手に栄誉賞、少子化対策の首相会見、日韓首脳会談などを話題にした。

六紙社説、社説の安保問題、21年なぜイタリアとイラン(いずれもサイト内)。イランとサウジアラビア 外交関係正常化で合意 中国が仲介(3/11)

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