風景を見る犬
- 2020/10/21 06:47
- カテゴリー:読み物
あたしはビールを飲みましょうね。
ウチナンチュが頻繁に口にする、何々しましょうね、この表現が本書にもあちこちに登場する。舞台は那覇市の栄町。樋口有介著「風景を見る犬」(中公文庫、16年)から(p9)。
何々しましょうね、を初めて聞いた時、どういう意味なのか判らなかった。一緒にしましょうと誘われているのか、それとも、婉曲な命令なのか、どっちかだろうか、けれどニュアンスはだいぶ違う。実際は、そのどちらでもない。一人称の意志を表している。何々します、なのだ。
# 売春婦をよそおった中国の女スパイ(p80)、政治や基地や利権の問題に関わらなければ、ぼんやり暮らせる(p226)、偶然も必然もすべては視点の問題(p308)