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2025年02月の記事は以下のとおりです。

黒田辰秋 ものづくり問答

今は芸術家ではなくて、芸術病に罹ってる者が多い。芸術家は人類を導き、人類の末迄も心配するだけの心ではならぬ。それを痛感せねば芸術家にはなれない。

美術評論家の青木正弘さんが、人間国宝・黒田辰秋(1904-1982年)の言葉を書き留めていた。若い頃に黒田の工房でアルバイトをしていたのだとか。

先日のEテレ「日曜美術館」(2/16)から。同僚にすすめられて、NHKプラスで観た。

学生時代に倉敷の市民オケで吹いていたこともあって、大原美術館とお隣の喫茶「エルグレコ」には何度か足を運んだ。その喫茶店では、どっしりとした椅子に座り、これはいいなぁと思ったものだ。それは、黒田辰秋作のテーブルセットを作者の了解を得て複製されたものだった。30年以上経ってからそのことを知った。当時はそんなことに興味もないし黒田の名も知らなかった。

京都国立近代美術館で黒田辰秋展が開かれている。3/2まで。その後は豊田市美術館で。

喫茶エル・グレコ(サイト内)。日曜美術館「黒田辰秋 ものづくり問答 森と海と人をめぐって」(NHK-Eテレ、2/16 21時)、「更覺良工心獨苦」

叔母が姪に遺したもの (2)

実家の母の下に、東の街から納税通知書が届いた。それは、母の叔母さんが遺した未納分の住民税を求めるものだった。

その街の納税係へ電話で照会したところ、相続の先の順位の方が相続放棄したために、母のところへお鉢が回って来たことが判った。相続放棄した人がいる、ということは、負の遺産の存在を否定できない。母も相続を放棄しないと厄介なことになるかもしれない。

相続放棄の手続きをするのは家庭裁判所だ。その街を管轄している家庭裁判所はどこかを納税係の方に教えてもらい電話を切った。

続けてすぐその家庭裁判所に電話。相続放棄の手続きについて訊ねたところ手際よく教えてくれた。申述書を家裁へ郵送する。いくつか添付すべきものがあるので説明文をよく読むように。書式や記入例などはwebページにある。webでの検索方法はこれこれこう、と。さらに注意点2つが追加された。相続の開始を知ってから3か月以内に申述する必要がある。家裁に必着で消印ではない。郵送か家裁へ持参でも可。それと、申述書の記入は本人でなくても良いが、自署と捺印は必ず本人で。

やはり、いつでも相続放棄できるわけではない。3か月以内なのだ。いつから数えて3か月かという問題はあるけれど(後述)、とにかく、残された日数は限られる。

家裁の説明文に急ぎ目を通した。申述書に添付する書類は、甥や姪の場合は以下。

1) 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
2) 被相続人の住民票除票又は戸籍の附票
3) 申述人(相続放棄をする方)の現在の戸籍謄本
4) 被相続人の兄弟姉妹のうち申述人の親の死亡の記載のある戸籍謄本

被相続人は、母の叔母のことなので、1) は叔母さんの戸籍。そこに死亡の記載がある。話はここから始まるので、添付資料として求められるのは当然だろう。けれど、これがどこにあるのか判らない。叔母さんの本籍地はいったいどこだろう。

2) は叔母さんの住民票除票または戸籍の附票。亡くなった時の住所が判る。これによって管轄の家裁が決まるので必要な情報だろう。住民票除票はどこにあるかは判る。今回、納税通知書を送って来た東の街だ。しかし、戸籍の附票なら、1) と同じところにある。取り寄せる作業は減らす方が良いので、1) 2) 併せて請求することにしよう。

3) にある申述人は、私の母のこと。この戸籍謄本によって相続放棄しようとしているのが誰かを明らかにする。母の本籍地は判る。問題なし。

4) 被相続人の兄弟姉妹のうち申述人の親、これは母の父。その人は既に亡くなり、今回の相続権がその子である母に移って来ていることを示す必要がある。母の父、私にとって祖父であるその人は、30台の若さで亡くなった。それに、当時は大家族で暮らしていた。おそらく彼の死は曾祖父が筆頭の戸籍に記載されているだろうと推測。母の実家の戸籍だ。

そんな風に、これら添付書類について見当を付けた。問題は、母の叔母さんの本籍地だ。母も知らないと言う。叔母さんの出生から順にたどる必要があるだろうか。それならば、祖父の妹なので、曾祖父の戸籍に記されているはず。4) と同じ戸籍謄本という可能性が高い。それを取り寄せることから、まずは始めようか。

母の叔母さんの本籍地が転々としていたりすると、ややこしくなる。戸籍謄本の記述を追って、次々順番に取り寄せていかなければならない。期限に間に合うだろうか。

などと、思いを巡らせる内に、はたと思い当たった。あそこなら、これらの情報が一式すべて揃っているはず。電話で訊ねてみよう。果たして、教えてくれるだろうか。

この日は、帰省最終日。沖縄へ戻る便の時刻を気にしながら作業を進めた。つづく

叔母が姪に遺したもの帰省、25年1月(いずれもサイト内)

ホンダ日産破談

両社の経営陣のビジネス交渉における稚拙さを感じざるをえない

自動車業界に詳しいアナリストの言葉をNHKの記事(2/13)が伝えている。稚拙さとあるけれど本当にそう言ってしまって良いのだろうか。なにせ売上高10兆円を超えるメーカーを率いている経営者だ。間抜けでは務まらない。

株式会社日本の儲け頭、自動車産業の二番手と三番手が統合の協議を進めていた。経営難に直面する日産に対して、まだ余裕のあるホンダが完全子会社化を提案したところ、日産の高いプライドがそれを容れられず、統合話は御破産になってしまった。

この件を採り上げた、在京六紙の社説を見てみよう。

「危機感欠く日産とホンダの協議打ち切り」(経2/7)。日産の意思決定の遅さはつとに指摘される。が、「ホンダも強硬姿勢に出る前に、もう少し丁寧に妥協点を探れなかったのだろうか」。

「ホンダ・日産破談 統合せず生き残れるのか」(産2/7)。「両社経営陣は」「どうやって世界市場で戦うかについて説得力のある戦略を示すべきである」。

「ホンダ日産破談 大変革期に挑む覚悟足りない」(読2/14)。現状認識の甘すぎる日産に対して「ホンダ側も事前にもっと丁寧に意思疎通を図るべきではなかったか」。

「ホンダ・日産の破談 生き残りの展望見えない」(毎2/15)。危機的状況にある日産は再建策を打ち出せない。「一方のホンダも、統合の相乗効果を発揮する戦略を提示できていたとは言いがたい」。

と、多くは日産ホンダ両社を難じる。ダメな日産を救済するために、ホンダはもうちょっと上手くやるべきだった、と言うわけだ。が、日産を見限る声もある、

「ホンダとの統合破談で急務の日産再建」(経2/15)、将来に「描くべき成長戦略が見えてこない」。「ホンダとの破談 日産は現実と向き合え」(東2/13)、「もはや現経営陣による企業統治は限界だ」。

その東京新聞の社説は、「経営統合計画自体に無理があったのではないか」とも書く。巨額の社債償還の期限が迫る日産には時間的余裕はない。ホンダは、そんな日産の負債を背追い込むと共倒れしかねない。そうなっては元も子もない。

ホンダは、稚拙と評される交渉の果てに、比較的、無難な道筋を選んだのかもしれない。

統合の協議を進める中で、互いに相手を深く知るようになった。ホンダは日産の余程の惨状を見たのではあるまいか。そこで、この話をなかったことにするために一計を案じる。完全子会社の話を持ち出せば、日産のプライドはそれを決して許さない。頭に血が上って断って来るに違いない。これならば、統合に賭けるホンダの真剣さは世に伝わるし、日産のメンツもある程度は保てるだろう。

その辺りが真相では、と邪推してしまう。

朝日新聞は、本件について社説で意見していない。今日までのリストを、あらためて、眺めてみたが、やはり、見当たらない。同紙1面の名物コラム「天声人語」(2/14)には登場していた。おや、と「相手に疑問を覚え」て、恋が冷めてしまった、とある。

さて、2/10週の六紙社説は、そのほかに、米WHO脱退、PFAS基準、備蓄米放出、米露のウクライナ停戦交渉、国民民主党の役割、高額療養費、米中AI開発、サイバー防御、オンライン賭博、トランプ関税、などを話題にした。

六紙社説、ホンダ(サイト内)。【詳しく】ホンダ 日産 経営統合協議を打ち切り 両社の課題は(2/13)、歴史的な経営統合 なぜ破談?その先は?(2/14)|NHK

耳鼻科、25年2月

月に一回の耳鼻科通いが続いている。今回も待合室はたいへん混んでいた。祝日明けということもあったろう。それに診察や処置に時間がかかる患者さんが重なったようだ。いつになく待たされて、呼ばれた時は受付してもらってから一時間は経過していた。それでも先に来ている人を何人か追い越して呼ばれた。アプリによる受付の威力。

総じて良くなって来ているが、まだ具合の悪い日がある、と伝えて診察を受けた。喉や鼻を診たあとに、耳鼻科医は、抗生剤を替えましょうと言った。ここしばらく服用したクラリスロマイシンに替えて、ニューキノロン系のレボフロキサシンを処方してくれた。

耳鼻科の次は薬局。アプリで処方箋を送っておいて10分弱歩く。そこでも少なからず待っている人がいたけれど、到着後ほどなく呼ばれた。アプリ送信によるファストトラック。

帰りに図書館とスーパーへ寄った。貸出カードや、ポイントカード、クレジットカードはスマホに登録している。この日は、耳鼻科からずっとスマホ一台で事足りた。便利な世の中になったものだ。

デジスマ診察券薬局へ処方箋を送るGoogleウォレット(いずれもサイト内)

図書館の本、25年1月

  • 2025/02/14 05:23
  • カテゴリー:読み物

どんな本を読み、どんな部分を抜き出すか。そこに、自分が何に関心を持っているのかが如実に表れる。今の気分では、例えば、以下のような選択。

戦術家というのは、「敵が予想どおりに来る」というこのふしぎな瞬間に賭けているようなものであり、戦術家としての仕事のほとんどはこの瞬間に完成する。

司馬遼太郎著「坂の上の雲」第8巻(文春文庫、1999年、新装版)から(p29)。ロシア海軍のバルチック艦隊は対馬海峡に現れる、作戦参謀の秋山真之はそう予想した。著者は彼に対して戦略ではなく戦術という言葉を使った。意図があってのことだろう。

家電量販店でお客さんに説明する販売員がもつべき知識程度の内容を解説する

新着本コーナーにあった、森下信著「今と未来がわかる 身近な機械 しくみと進化」(ナツメ社、2023年)、「はじめに」から(p7)。一般家電、パソコンや通信、はたまた、ハイブリッド車まで、その「しくみ」が載っている。こういう本の存在はありがたい。

占領延長型、有事即応型、国民無視型

現在の日米関係の実態は、この3点に整理されると著者は指摘する。松竹伸幸著「<全条項分析> 日米地位協定の真実」(集英社新書、2021年)から(p266)。地位協定が改定されない限りわが国は真の独立国家ではない。悲しい事実だ。

リーダーシップ、身近な装置、そして、安全保障。

坂の上の雲地位協定(いずれもサイト内)。佐藤優著「イスラエルとユダヤ人」(角川新書、2020年)、藤原正彦著「日本人の誇り」(文春新書、2011年)

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