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2025年03月の記事は以下のとおりです。

「ナベツネ死す」

火曜日だったか、職場で作業している際、「ナベツネ死す」という大きな文字が目に飛び込んで来た。何かを包んでいた古新聞の大見出しだった。よく見ると敬称の「さん」が極小さく添えられている。2024年12月20日付け日刊スポーツの第1面。

渡辺恒雄さん死去 読売グループ本社主筆。昨年12月そのニュースに触れ、在京六紙、特に読売、の社説はどんなことを書くのだろうか、と数日、タイトルを注視した。が、六紙いずれも社説でその死を採り上げなかった。

今回、古新聞の大見出しを見て、あらためて「渡辺恒雄 死去 社説」とGoogleで尋ねた。その結果、社説が一つヒット。それは北海道新聞。やはり在京六紙の社説は見当たらない。

北海道新聞の社説「渡辺恒雄氏死去 権力と新聞問われた距離」(2024/12/20)。「政界に隠然たる影響力を及ぼし続け、新聞人としてのあり方に批判があった」、その人の訃報に接し「ジャーナリズムのあるべき姿について改めて考えさせられる」とある。

北海道新聞が「隠然たる」なんて表現を使って社説で意見するのに、在京六紙とりわけ左派系3紙が黙っているはずない。故人の名と紙名で、六紙各々について検索。すると、

「毀誉褒貶相半ばする稀有な新聞人だった」(日経)、「政治との距離の近さには常に批判もつきまとった」(東京)、「政界のフィクサー」「球界も牛耳った」(朝日)、読売本社ビル用地の国からの払い下げでは「政府との交渉に渡辺氏が大きく関わったとされる」(産経)。そして、「独裁」「傲慢」「尊大で、しかしどこか愛嬌」(毎日)

と、あたかも社説かと思わせる文言が普通の記事にあった。2024年12月20日前後に各紙いずれも複数の一般記事で故人について書いていたことをwebで確認した。

読売は、訃報記事「『終生一記者』貫く…渡辺恒雄主筆死去、提言報道や戦争責任追及を主導」(2024/12/19 13:53)を掲載した。ここでも、「中曽根内閣では、首相のブレーン的存在」とか、ポピュリズムの台頭を抑えるには「活字文化の維持こそが欠かせない、との信念は揺るぎなかった」とか、社説「的」な表現が散見された。誉・褒の話ばかりで、毀・貶は登場しない点も社説「的」だ。

社の直接的な意見は、通常、社説に書く。それでは紙数が足りなかったのだろうか。各紙とも、社説ではなく、複数の一般記事で意見を展開した。それ程までに、この人の死は、読売はもちろん大手紙各社にとって重大事だったのだろう。

さて、3/10週の六紙社説は、東日本大震災14年、兵庫知事の疑惑認定、自民党大会、核禁条約会議、春闘集中回答、中国全人代閉幕、ウクライナ停戦案、トランプ関税への備え、首相10万円商品券配布、G7外相会合、などを話題にした。

六紙社説、渡辺恒雄(いずれもサイト内)。渡辺恒雄(1926-2024)

日本海海戦

  • 2025/03/15 05:52
  • カテゴリー:読み物

かならずしも全土がロシア領にならないにしても、最小限に考えて対馬島と艦隊基地の佐世保はロシアの租借地になり、そして北海道全土と千島列島はロシア領になるであろう

もし、日露戦争に負けていたらそんなことになっていた。当時の国際政治の慣例から見て確度の高い話だとか。引用は、司馬遼太郎著「坂の上の雲」第8巻(文春文庫、1999年、新装版)から(p93)。

実際、日本は、ロシアに勝ち、領土を奪われることはなかった。しかし、勝つには勝ったのだが、敵が自爆したようなところがあって、「際どい勝利を拾」った、とドラマ「坂の上の雲」の最終回で語られた(3/9、再放送)。

その回では、司令長官の東郷平八郎が、連合艦隊解散ノ辞を読み上げる印象的なシーンがある。勝って兜の緒を締めよと戒める。が、そうはならない。負けたロシア(ソ連)が、大いに反省して軍を立て直し、独ソ戦などその後の戦争を優位に進めたのとは大違い。

日本は、日露戦から何も学ばず図に乗るばかり。結局、太平洋戦争で、こてんぱにやられて敗北する。そして、ロシアではない別の国に、北海道どころか、日本列島すべてを占領されることになる。

ところで、東郷平八郎に扮した渡哲也の薩摩弁はかなり本格的だったようだ。鹿児島出身の同僚が、あれは薩摩の人だと思った、と言っていた。

あの戦争と日本人坂の上の雲第6部独ソ戦(いずれもサイト内)。NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」第26話(終)「日本海海戦(後編)」(NHK総合、3/9 23時)

邪馬台国の所在地

あまりロマンがない話ですが、魏志倭人伝から邪馬台国の場所を考えるのは、非常に難しい、あるいは不可能である

講師の方は、そうは言うものの、九州説を、やんわり否定しているようだった。邪馬台国の所在地はどこだったのか。北部九州か奈良盆地、二つの有力説がある。九州じゃないなら奈良ということになるだろうか。

引用は、NHKのカルチャーラジオ歴史再発見「古代史の謎~ヤマト王権の形成」(2)「邪馬台国の所在地」から。講師は、河内春人教授(関東学院大学)。

大陸から九州に至る、対馬や、壱岐、末盧国、伊都国については、位置など土地の概要だけでなく風俗も詳しく記されている。おそらく倭人伝を記述した人(中国の役人)は、実際に訪ね見たことを書いたのだろう。が、邪馬台国を含む、その他の土地は記述が簡素になっていることから、その人たちが行ったことのない遠い地域だったと思われる、と。

末盧国と伊都国は、各々、佐賀県と福岡県のどこかと比定されることが多い。つまり、邪馬台国は、北部九州から遠く離れた土地ということになるわけだ。

そもそも、邪馬台国の所在地問題は、魏志倭人伝での記述の曖昧さに起因する。そのまま素直に解釈したら、邪馬台国は九州を飛び出して、南の海上にあったことになる。

当時の倭国人は、中国の役人に邪馬台国への道順を訊ねられた折、正確に教えず、ぼかして話した。何せその経路は軍事情報でもある。その適当な話が魏志倭人伝に記載されることになったのだろう、と講師は推測していた。

この第2回以降も本シリーズは興味深い話が続き、今週は第11回だった。最終回(13?)まで聴くことになりそうだ。

天皇陵の謎倭国の古代学(いずれもサイト内)。カルチャーラジオ歴史再発見「古代史の謎~ヤマト王権の形成」(2)「邪馬台国の所在地」(NHKラジオ第2、1/7 20:30-)

日米地位協定の真実

  • 2025/03/13 05:56
  • カテゴリー:読み物

日本とジブチが結んだ地位協定では、公務中であれ公務外であれ、ジブチはいっさいの裁判権を持たず、日本側がすべての裁判権を行使することになっています。

そんなことになっているのか。松竹伸幸著「<全条項分析> 日米地位協定の真実」(集英社新書、2021年)から(p161)。

ある人から聞いた話。その人の知人で自衛隊に勤める人が、駐ジブチ隊に配属されていた時期があったと。哨戒機の搭乗員だとか。自衛隊がアフリカ北東部のジブチ共和国に出張っていることは何となく知ってはいたけれど、その話を聞いて、あらためて、自衛隊がジブチに恒常的な基地を置いていることを認識したのだった。

それ以上深くは考えなかった。が、基地を置いているなら地位協定だ。日本とジブチとはそれを結んでいる。自衛隊は、国際法的に見て、軍隊であることは明らかなので当然そうなるということ。この本でそれを知った。

それも、引用部分のように、かなり不平等な内容になっている。日米の地位協定は、日本が今でも敗戦後の占領下にあるような内容になっている。その腹癒せにジブチに、もっと酷い地位協定を押し付けたのだろうか。

日米地位協定の改定検討を進めるには、ジブチとの不平等な地位協定をそのまま放置するわけにはいかないだろう。

地位協定日本は戦争をするのか(いずれもサイト内)

呑み鉄本線、25年1月

海岸線は故郷へ向かう道、負けたんじゃない、逃げるんじゃないさ、ちょっと少し弱くなっただけ

六角精児バンドの「ディーゼル」から。それがエンディングで流れる、旅番組「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」、1月に撮影されたシリーズ最新作を観た。

挫けることは誰にだってある。そんな時、実際の場所かもしれないし、心の中のことかもしれないけれど、少しのあいだ引き籠っていたいことがある。それでいいんだよって言われているような気がする、六角さんのその歌を聞くと。

六角さんのことを認識したのは、たまたま観たドラマ「電車男」(2005年)だった。面白い人が出て来たなと思った。調べてみると、出身県や生まれた年が同じ。親しみが湧いた。とは言うものの、鑑識役が人気を博した「相棒」シリーズは観たことはなく、出演作を熱心に追うことはない。この「呑み鉄本線・日本旅」を観るくらいのもの。

今回、六角さんは髭面だった。舞台の関係らしいのだが、山賊の役でもやるのだろうか、そんな風情だった。

秋・豊肥本線呑み鉄本線日本旅(いずれもサイト内)。六角精児の呑み鉄本線・日本旅「冬・ほくほく線、えちごトキめき鉄道を呑む!」(NHK-BS 3/4 18時)「BS放送の魅力を体験!おすすめ番組を限定配信」

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