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キーワード「べらぼう」の検索結果は以下のとおりです。

モーツアルト K.Anh.229

  • 2025/07/08 06:29
  • カテゴリー:音楽

朝食の前後に鳴らしている曲は、毎朝、だいたい決まっている。バリオスのギター曲、ジョプリンのピアノ曲、プーランクやR.シュトラウスの管楽器のための曲、バッハのフランス組曲、モーツアルトのディベルティメントK.Anh.229(439b)など。

各々複数の音源からその日の気分で選ぶけれどそれにも傾向はある。例えば、R.シュトラウスは、Edo de Waart指揮Netherlands Wind Ensembleのことが多い。バッハは、Gouldか朱か。モーツアルトK.Anh.229は、Sabine Meyerらのバセットホルン3本の版(なぜか6番まである)か、Prinz、Schmidl、ZemanのCl2+Fgのバージョン(5番まで)。

日々訪ねるサイトにK.Anh.229の話題があったので触発されて今朝これを書いている。

K.Anh.229は、Pierlot(Ob)、Lancelot(Cl)、Hongne(Bn)の木管三重奏版を聴いたのが最初だった。高校時代に、Eratoの廉価盤LPを買った。確か千円だったと思う。Obが煌びやかに旋律を吹くその演奏に慣れ親しんだものだから、後々、クラリネットやバセットホルンの版は、えらく、くすんで聞こえたものだ。

が、今となっては、Pierlotらの演奏はほとんど聴かない。クラリネット族のくすんだ、いやいや、深みのある色合いの方が、天才モーツアルトが書いたシンプルな楽想を味わうのに好ましいように感じるからだ。

この曲、自筆譜が失われてしまったこともあって成立年は不明。海老澤敏ら監修「モーツァルト事典」(東京書籍、1991年)は、作曲時期を1783~88年とする。ケッヒェルの第6版では「おそらく1783年」と推定されていることも同事典は紹介している。

1783年、和暦では天明3年。その年の9月、蔦屋重三郎が日本橋に店を構えた。浅間山が大噴火を起こした年でもある。

朱(Zhu)のフランス組曲プーランクの六重奏曲管楽器の曲十選木管二重奏による魔笛昔の愛聴盤べらぼう(20)(いずれもサイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(25)「灰の雨降る日本橋」(NHK総合、6/29 20時)

べらぼう(23)

狂歌の指南書「浜のきさご」は飛ぶように売れ、その他の品もとても評判が良く、そうそう、この頃から青本は黄表紙と呼ばれるようになったんです。

そういうナレーション(綾瀬はるか)が入った、大河ドラマ「べらぼう」第23回「我こそは江戸一利者なり」(6/15)では、蔦重(横浜流星)を取り巻く作家たちが色々な作品を仕上げて行った様が描かれていた。

画面に映った題簽には「濱乃きさこ」と見えた。元木網の作。前回、蔦重が元木網(ジェームス小野田)に指南書を書いて下さいとお願いしていた、それが実現したのだろう。

「その他の品」では、例えば、遠藤が扮する力士が「おれも買ったよ」と言った一冊「壽監商婚禮」。タイトルはそのように見えたけれど、店先のビラには「寿塩~」と大書されていた。それで調べてみると、作者は大田南畝。蔦重が南畝に依頼するシーンも前回あったように思う。タイトルの読みは、ことぶきしおやのこんれい。

「啌多雁取帳」(うそしっかりがんとりちょう)も映っていた。これは志水燕十の作。その上の段にあったのは、「長生見度記」(ながいきみたいき)だろう。朋誠堂喜三二(尾美としのり)の黄表紙。前回、これに画を付けるよう喜多川歌麿(染谷将太)が蔦重から頼まれていた。

そして、前回話題の中心だった恋川春町(岡山天音)が書いた「廓■費字盡」(さとのばかむらむだじづくし)も並んでいた。タイトル二文字目は竹冠に愚。

今回、蔦重が「おれの抱え」は、と作家たちの名を挙げる場面があった。歌麿、喜三二、春町。そして、あから(南畝)、しげまさ、まさのぶ、さんな、えんじゅう、などが続いた。

そう言えば、前回、さんな=唐来三和(山口森広)、が蔦重に構想を語っていた。「そこへお釈迦様がやって来て、やぁやぁとお神酒を飲んでる内に、ちょいと行くかぁって、お三方連れ立って吉原へよぉ」と。これは「三教色」という馬鹿話となる。今回は登場しなかったようだ。

べらぼう(サイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(22)小生、酒上不埒にて(NHK総合、6/8 20時)、(23)我こそは江戸一利者なり(同、6/15 20時)、【大河べらぼう】第23回に現役幕内力士 若元春・遠藤・錦木が出演!

べらぼう(20)

来ぬ人を待つほど恨むゆ鰻は焼くやも塩かタレ惑いつつ

遅れてやって来た、土山宗次郎(栁俊太郎)、狂名「軽少ならん」、が定家を下敷きに一首詠む。この日のお題は、鰻に寄する恋。

それを聞いた、大田南畝(桐谷健太)、狂名「四方赤良(よものあから」、が、馬鹿笑いをする。当時随一の知識人は、品性よろしくない人物として描かれている、のかな。

大河ドラマ「べらぼう」第20回「寝惚けて候」から。

土山の名前は、鈴木俊幸教授(中央大学)の講演「蔦屋重三郎のまなざし」で確か述べられていた。聴き直してみると、第2回の37分過ぎた辺りで語られる。「誰が南畝を贔屓にしていたのか、一番のパトロンは土山宗次郎って男。これは田沼の側近。田沼追い落としの最中に早々に死罪になっちゃう。土山は、大文字屋の誰袖(たがそで)っていう遊女に馴染みになっていて」云々。

へえそんな展開になるのか。狂歌と幕政が絡んで来る。誰袖花魁は、蔦重に一方的に好意を寄せる「かをり」のことだ。

続けて聴いていると、蔦重が日本橋に店を構える話になる。天明3年(1783年)9月、日本橋通油町(とおりあぶらちょう)に。鈴木教授がこんなことを言う。「丸屋小兵衛っていう老舗の地本問屋の店と蔵を買い取ってそこに進出する」と。

丸屋小兵衛は「べらぼう」の何回か前に登場していた。往来物の得意先を、蔦重の耕書堂に奪われてしまったと報告する役。鶴屋喜右衛門(風間俊介)に「丸小(まるこ)」さんと呼ばれていた。得意先を奪われる、店と蔵を買い取られる、そうなるのか。

鈴木教授の講演は、60分×全4回で蔦重の死に到る。「べらぼう」の方は、今、その第2回の終わり辺りに差し掛かっている。

べらぼう(サイト内)。来ぬ人を松帆の浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(20)寝惚けて候(NHK総合、5/25 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】鈴木俊幸(中央大学教授)、知らなかった!蔦屋重三郎が「耕書堂」を構えた日本橋通油町に、版元が集中していた理由

べらぼう(17)

この年(安永9年)、皆あまり注目しないのだけれど、蔦重は往来物の出版を始めている。

鈴木俊幸教授(中央大学)はそう言ったけれど、大河ドラマ「べらぼう」第17回「乱れ咲き往来の桜」は、蔦重の往来物に大いに「注目」した。

往来物とは、庶民教育のための初等教科書のこと。鈴木教授によると、蔦屋重三郎は、死ぬまでに、7、80点は手掛けたのだとか。往来物は、流行り物の青本や黄表紙とは違って長期に渡る商売となり、一度、版をつくれば、安定した収入源となる。

蔦重(横浜流星)が彫師の四五六(肥後克広)を訪ねて、「版木、桜のいいもんにしてくれたんですね。堅くてたいへんだったでしょ」と言えば、「恩に着ろよ。往来物は、字がきれいに出て、長持ちしないといけねぇからな」と四五六が応える。そんな場面があった。

サクラ材は本当に堅い。状態の良い刃物が要る。四五六のような腕の良い彫師は、また刃物研ぎも頗る上手かったのだろう。

べらぼう(サイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(17)乱れ咲き往来の桜(NHK総合、5/4 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、「道具半分、腕半分」

べらぼう(16)

いいできになったじゃん。恩が恩を呼ぶ、めでてぇいい噺だよ。ともに考えててくれた人もきっと喜んでくれると思うよ。

と、戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。ははぁんと思った。蔦重(横浜流星)そして姿をくらました瀬川(小芝風花)、二人が一緒に考えた物語が本になるのだと。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第16回「さらば源内、見立は蓬莱」から。

その新作の題は「伊達模様見立蓬莱」。これで検索すると、やはりそうだった。番組の時代考証を担当した方がYahooに書いている。助けた亀が恩返しに花魁を身請けする云々という噺らしい。前々回、二人は一つ布団の中で亀の恩返しのことを語り合った。

この「伊達模様見立蓬莱」については、鈴木俊幸教授(中央大学)も語っていた。注目すべき点は、蔦重が初めて手掛ける黄表紙(挿絵付き小説)だったこと。安永9年正月、黄表紙など新作10冊を一挙に刊行する。見立蓬莱はそのシリーズの一冊。

それと、その巻末には、シリーズの広告を掲載。芝居の幕が開くと、桜の木の枝に短冊がぶら下がっている、そんな絵になっている。短冊各々には新作の題が記入されている趣向。例えば、威氣千代牟物語、うそ八百萬八傳、龍都四国噂などなど。

鈴木教授は、絵に描かれている、幕引きの男に関心を寄せる。背中に紋が見える。富士山形に喜ぶという文字、これ、当時の蔦屋重三郎のマーク。広告に自身を登場させ、「自分の黄表紙商売の幕開けを表現している」。なかなかのセンスだ、と。

番組の途中、蔦重は「伊達模様見立蓬莱」の挿絵を、北尾重政(橋本淳)に頼んでいた。そして、最後に実際に刷り上がった広告ページを蔦重は満足そうに眺める。のだが、そのすぐ直前に、蔦重が口上を述べ、芝居の幕が開くシーンがあった(44分頃)。それは彼の夢想なのだろう。

べらぼう(サイト内)。ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(16)さらば源内、見立は蓬莱(NHK総合、4/20 20時)、【今日の蔦屋重三郎】蔦重と瀬川が夢見た「伊達模様見立蓬莱」とは~大河「べらぼう」の時代考証者が語る、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸

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