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誰のためか、自問自答を

日本のジャーナリストは、ジャニー喜多川元社長の問題を報道しないという選択をした時、誰の利益のためにそうしたのかということを自問自答しなければならないと思います。本当に誰のためだったのか?その時の動機は何だったのか?

英BBCは、今年3月、ジャニー喜多川元社長の性的虐待に関するドキュメンタリー番組を放送した。その中で、日本のメディアがこの問題を報じて来なかったことも指摘した。この度ジャニーズ事務所が性的虐待の事実を認め謝罪会見を行ったことを受けて、BBCの記者がインタビューに答えている。引用はそれを伝えるweb記事(9/8)から。

「どんな文明社会でも」「報道機関は肯定的なものも否定的なものも自由に発信できなければならない」。しかし、日本の場合は、どうもそうはなっておらず、「メディアは役に立ちません」。「日本のメディアの構造は非常に独特なもの」、「その文化に変化が起きることを心から願っています」。

我が国の恥部が暴かれている。日本の報道では、事実がその通りに伝えられず、国民は正しい情報を得られない、そんなことが起こっている。由々しき問題だ。

メディアの記者たちは、官公庁や、政党、大企業など、縦割りでごく狭い領域を担当し、いつもお世話になっている組織の意向を忖度する。良くない事柄は発信を自粛する。元社長による性的虐待を採り上げなかったのも同じ構図の中にある。その事務所を担当するメディアの人たちは犯罪行為を見て見ぬふりをしたのだ。

報道の自由度、世界ランキングで、日本は68位に低迷する。G7では最低だし、お隣の韓国よりも低い。果たして日本のメディアは「変化」を遂げることができるだろうか。

事務所の会見(9/7)に接し、在京六紙のうち4紙(朝毎東産)が社説を書いた。発行部数最大の読売や、国名を冠する日経は、沈黙している。

さて、9/4週の六紙社説は、そのほかに、京アニ事件裁判、辺野古裁判で沖縄県敗訴、概算要求最大、秋本議員逮捕、G20サミット、損保ジャパンの罪、H2Aロケット、国民民主代表選などを話題にした。

六紙社説、ジャニーズ国内マスコミの根本課題(いずれもサイト内)。ジャニー喜多川元社長ドキュメンタリー制作の英BBC記者にインタビュー「世界中の報道機関にとっての教訓に」(9/8)、【2023年最新】報道の自由度ランキング 日本は68位に上昇、世界のワーストは?

「マスメディアの沈黙」

林眞琴氏ら外部専門家による再発防止特別チームは、ジャニー喜多川前社長による性的虐待を、あらためて、事実認定した。同チームによる調査報告書(8/29付)は、ジャニーズ事務所のサイトに掲載されている。

その報告書は「マスメディアの沈黙」の項目(p52)で、メディアの責任を記す。

「ジャニー氏の性加害を取り上げて報道すると、ジャニーズ事務所のアイドルタレントを自社のテレビ番組等に出演させたり、雑誌に掲載したりできなくなるのではないかといった危惧から、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道するのを控えていた状況があった」、

テレビや紙誌などマスメディアは、自社の利潤追求のために性的虐待の犯罪に目を瞑り、なおかつジャニーズ事務所の営利に関与し続けたのだ。

事務所は「マスメディアからの批判を受けることがないことから、当該性加害の実態を調査することをはじめとして自浄能力を発揮することもなく、その隠蔽体質を強化していったと断ぜざるを得ない。その結果、ジャニー氏による性加害も継続されることになり、その被害が拡大し、さらに多くの被害者を出すこととなった」(同、p53)。

在京六紙の社説が、これに対し、どう反応しているか見てみよう。

まず産経。「この厳しい指摘には、抗すべき言葉もない。産経新聞をはじめとする新聞、テレビがこの問題の報道に及び腰であったことは事実である。その反省の上に立ち、ジャニーズ事務所が今後、性被害の救済問題にどう対処し、芸能界や社会がどう変化してゆくか、目をこらして報道を続け、言論機関としての責務を全うしなくてはならない」(産8/31)。

次に朝日。「朝日新聞を含むメディアは、報道や取引関係を通じて働きかけることができたのに、それをせず、社会の無関心を招いた。性暴力が深刻な人権侵害との認識を持てなかった過ちを、深く省みなければならない」(朝8/31)。

この2紙は、我が事として捉えているようだ。東京新聞も5月に「手厚い報道があれば、その後の被害を防げたかもしれない」、「私たちも重く受け止め、性被害防止に努めたい」(東5/19)と自分たちを主語にしてコメントを寄せていた。

一方、ちょっと他人事っぽく書くのは次の2本。「重く受け止めなければならない。芸能スキャンダルと軽視して人権問題と捉える視点を欠いた面は否めない」(毎8/31)。「われわれメディアも改めて自省し、今後の再発防止の一翼を担わなければならない」(経8/31)。

そして、残る1紙、読売新聞、これがひどい。「報告書は、テレビ局などが出演者を確保できなくなると恐れ、問題を報じなかったことも性加害が続く一因となったと指摘した」(読8/31)と事実を書くのみで、新聞はどうあるべきか、自分たちはどう思うのか、など、一言もない。報道機関としてのマスメディアの責任を指摘されても、自分たちは関係ないと嘯くつもりだろうか。

さて、8/28週の六紙社説は、そのほかに、福島処理水放出が国際問題化、感染症危機管理庁、カンボジア新政権、ガソリン補助金、関東大震災100年、西武百貨店ストなどを話題にした。

六紙社説、メディアの反省、本気度はもみ消し加担と非難され山下達郎の音楽十選ジャニーズ性的虐待問題(いずれもサイト内)。外部専門家による再発防止特別チームに関する調査結果について(8/29)、ジャニーズの性加害報告書で異例の「メディアの責任」が盛り込まれた根深い背景(9/1)

日米韓首脳会談

東京新聞は、22日、「日米韓首脳会談 軍事に偏重してないか」と題する社説を掲載。18日に開かれた日米韓首脳会談に関する、在京六紙の社説が出揃った。

バイデン大統領と、尹大統領、岸田首相が米ワシントン近郊で会談し、「三カ国の連携強化に合意した。日米韓の結束は東アジアの安定に寄与してこそ意義がある。中国との対話も並行して進め、緊張緩和につなげたい」(東8/22)

「喫緊の課題は北朝鮮への対応だ」。「前提条件なしでの対話再開が共同声明に盛り込まれたが、日米韓で協力して交渉の道を探ってほしい」(朝8/20)

隣り合う日中は「経済的な関係も深く、対立激化のリスクは極めて大きい。地域の安定が最優先だ」。「緊張緩和のため、対話にも全力で取り組む必要がある」(毎8/20)

今回の共同声明は、地域の安定のために「対話の枠組みを重層的に強化し、いずれかの国で政権交代があっても3カ国協力に支障がないようにする狙いがある」(経8/20)

という具合に、4紙(朝毎東経)は「対話」をキーワードに位置付けて社説を組み立てている。が、残る2紙(読産)の社説には対話の文字は一つも見当たらない。いわく、

「防衛協力を前例のないレベルに引き上げる」「日米韓の協力を新たな次元に高めていきたい」(読8/20)。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し、「日米韓が共同演習で抑止力を強め、情報共有で対処力を高めることは理にかなっている」。3人の「首脳が直接会談で台湾問題を取り上げ」「対中国で連携を打ち出した点も注目したい」(産8/21)。と、この2紙は日米韓3国による防衛や軍備の充実を求める。

対話なしで戦いに備える。それは、近隣部族との諍いに身構え、異民族(や猛獣)の襲撃に怯えた、前近代の時代のようではないか。現代の我々は、人と人との間でコミュニケーションする手段である言葉を持っている。だから人間(human-beings)なのだ。対話の可能性を探り続けなければ、本能のままに生きるヒグマやトラとそう違わない。

外交や安全保障に関連し対話の重要性を語らない新聞は、果たして、現代の人々を購読者として想定しているのだろうか。コミュニケーション能力の低い古(いにしえ)の人たちに読んでもらいたいと思っているのではないのか。

さて、8/21週の六紙社説は、そのほかに、中間貯蔵施設、エーザイの認知症新薬、処理水の海洋放出、タイの新政権、北の衛星再失敗、殺傷兵器輸出、拡大するBRICS、中国が水産物全面禁輸、プリゴジン氏死亡などを話題にした。

六紙社説、「対話の機運絶やさずに」Re: 習氏3選にどう向き合う対話(いずれもサイト内)

防衛白書、23年版

東京新聞は、9日、「防衛政策と白書 懸念の払拭には程遠い」と題する社説を掲載した。これで、今夏刊行された「令和5年版防衛白書」に関する、在京六紙の社説は出揃った。

国民の「防衛政策に関する理解と協力が不可欠」(令和5年版防衛白書、p209)。そのためには、「できる限り平易な形で、わが国防衛の現状とその課題及びその取組について周知を図ること」(同、p4)を目的とする防衛白書がその一助となるはずだが、果たしてどうだろうか。社説はどう評しているだろうか。

安保3文書の改定(昨年末)などについて、「政府の立場から紙幅を割いてはいるが、疑問や懸念に直接、答える記述は乏しい。国民的議論の欠如を補うには程遠い」(朝7/30)

敵基地攻撃能力(反撃能力)に関して、「国民の疑問にできる限り丁寧に答えようとする姿勢は見えない」(毎8/2)

敵基地攻撃能力や予算倍増などは説明するが、「専守防衛との整合性など疑問には答えていない。国民の懸念を払拭するには程遠い内容だ」(東8/9)

「財源問題には踏みこめていない」、「国民の理解を得る努力を重ねるのが将来世代への責任だろう」(経7/30)

政権は「新しい白書をつくってもよいし、防衛白書を用いてもよい。総合的な防衛上の課題の意義や進捗状況を国民に包括的に説明する義務を果たしてもらいたい」(産7/30)

という風に、これら5紙は、国民の「理解と協力」に関連してコメントを寄せている。ところが残る一紙の社説にはそれは現れない。

「日米韓連携で抑止効果高めよ」。台湾情勢を巡って「自衛隊は、警戒監視に万全を期してほしい」。能動的サイバー防御のために「法整備を急ぎたい」(読7/30)。と、政権の代弁をするばかりで、国民の「理解と協力」などそっち退け。そもそも「国民」の文字が一つも登場しない、この社説には、だいぶ違和感を感じる。

さて、8/7週の六紙社説は、そのほかに、日大アメフト部薬物事件、マイナ中間報告、再生エネ汚職疑惑、破綻する核抑止論、コロナ5類移行3か月、ふるさと納税などを話題にした。

ジャニーズ性的虐待問題については、国連の作業部会が会見(8/4)して以降、今のところ3紙(毎朝産)が社説で採り上げている。「政界地獄耳」(日刊スポーツ、8/8)は「恥ずかしい日本の人権意識の遅れ 先進国というにはお粗末すぎる」と題して、ジャニーズでの不祥事も含め「日本のタブーであり暗部」である人権問題を書いた。

六紙社説、専守防衛を放棄するのかもみ消し加担と非難され(いずれもサイト内)。防衛白書|防衛省・自衛隊

最低賃金アップ、23年度

厚生労働省の中央最低賃金審議会が、今年度の最低賃金の目安を示した。全国の加重平均は時給1002円で、引き上げ幅は41円、引き上げ率は4.3%。

例年に比べて大幅な引き上げで平均千円の大台を超えた。が、多くの新聞は社説で不満を表明する。そりゃそうだろう。時給千円でフルタイム働いても、年収は2百万円程度に過ぎないのだ(1千円/時×40時間/週×52週/年)。

「暮らしの安定には不十分」(毎7/30)、「生活守る底上げさらに」(朝7/30)、「引き上げ定着させねば」(東8/1)、「引き上げ継続の環境整えたい」(読7/29)、「着実な引き上げを続けよ」(産8/1)。

ところが、在京六紙の内、日経は、「働き手の生活を支援するうえで引き上げ幅は妥当といえる」(経7/29)と、他紙とは温度差がある。それに同紙は、唯一、地域間格差について何も触れない。国名を冠した経済紙に、「働き手の生活」はちゃんと見えているのだろうか。

他の5紙は、地域間格差の是正が必要と訴える。今回の最高は東京都の1113円。最低892円とは2百円以上もの差がある。記事の中では、なぜか、沖縄県が比較にされがち。「最も低い沖縄県など」(朝7/30、東8/1)、「最低の沖縄など」(毎7/30)、「最も低い青森県や沖縄県など」(読7/29)と。最低の892円は、沖縄だけじゃない。青森もそうだし、秋田、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島の各県もそう。なのに、主に引き合いに出されるのは沖縄県。新聞社には何か含むところがあるのだろうか。

さて、7/31週の六紙社説は、そのほかに、高浜原発再稼働、明治神宮外苑再開発、全国学力調査、大阪・関西万博、ロシアとアフリカ、日銀の政策修正、ニジェール政変、トランプ前大統領起訴、ASEANとミャンマー、保険証廃止で首相会見、秋本真利議員収賄容疑などを話題にした。

今日(8/6)は、ヒロシマ原爆の日。六紙は一斉に社説で採り上げた。4紙(朝毎東経)が核廃絶を求め、2紙(読産)は核抑止力の必要性を説く。

六紙社説、安い労働力を求めた結果沖縄(いずれもサイト内)

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