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キーワード「文庫100冊」の検索結果は以下のとおりです。

努力論

  • 2021/10/29 06:25
  • カテゴリー:読み物

勉強や仕事がうまく行こうが行くまいが、毎日、自分がなすべきことをこつこつと平気な顔でこなしていく人が、じつは一番偉いのである。嬉しい、つらいという主観を超越し、平然と事が行えるようになったとき、そこに三昧の境地があり、悟りがある。

この箇所を読み、「蝦夷地別件」に登場する僧侶洗元のことを再び思った。引用は、斎藤兆史著「努力論」(ちくま新書、2007年)から(p115)。

升田幸三の「陣屋事件」など、棋士のエピソードがいくつか紹介される。余談として真剣師の小池重明も登場する、賭け将棋指しだ。

文庫100冊蝦夷地別件(いずれもサイト内)。自分探しは時間の無駄(p134)

兵士に聞け

  • 2021/10/12 06:31
  • カテゴリー:読み物

見えないものに怯えているというか、逃げを打っているというか、要するにストレートでも変化球でもなく、敬遠策なのである。

著者のインタビューを受けることになっていた自衛官が姿を見せなかった。取材を受けないよう、上官から指示が出たのだった。待ち合わせの場所に近づくこともないようにと。引用は、杉山隆男著「兵士に聞け」(新潮文庫、1998年)から(p442)。

研究所のメンバー数人が選ばれて人事部によるインタビューを受けたことがある。どういう名目だったかは忘れたけれど、現場の様子を生の声から知ろうとしたのだろう。人選は無作為、全社で実施、と説明があった。インタビューの数日前に所長から呼び出された。私が対象者であることは職制に伝えられていたのだ。所長が語るのは遠回しな表現ではあったけれど、その意図はすぐに判った。要するに、弁えろよ、だ。本音は、その自衛官の上官のように、インタビューを阻止したかったのではなかったか。「おまえじゃ何を言い出すかわからない」と。

文庫100冊(サイト内)

Re2: 文庫100冊

  • 2021/10/01 06:26
  • カテゴリー:読み物

村上自身が「村上春樹」というブランド名によりかかって、ようするに読者を舐めてるんだな、と思い、読むのをやめた。

私も、もうやめようと思う。引用は、勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p430)。

既に熱心な読者ではなくなっている。出版されてだいぶ経ってから古本や図書館で借りた本を読むに過ぎない。彼がもしノーベル賞をとるようなことがあった折、私も一読者です、と思える方が良いような気がして、ぼつぼつと読み続けて来た。そういうことかもしれない。私が「これほんとにおもしろいのかね」(p430)と感じるようになったのは、「ねじまき鳥クロニクル」あたりからか。手元に「国境の南、太陽の西」がある。私にとって、「村上春樹」は、この一冊で十分だ。そういえば、村上Radioもすっかり聞かなくなった。

村上春樹(サイト内検索)。ノーベル賞、2021年の注目候補者は(9/30)

たった一人の生還

  • 2021/09/16 06:14
  • カテゴリー:読み物

私は常に空気孔を背にして座るようにしていた。

同じ事が二度語られる(p127、242)。佐野三治著「たった一人の生還-たか号漂流二十七日間の闘い」(新潮文庫、1995年)から。

なぜそうしていたか、その理由は、はっきりとは述べられない。察することはできる。「みんなに幻覚症状が起こり始め」「ラフトの中はのっぴきならない状況に陥りつつあった」。それでも著者は冷静だった。ボートの空気が抜ける事態だけは避けねばならないと。

文庫100冊、松田宏也著ミニヤコンカ奇跡の生還(いずれもサイト内)。「神様なんかこの世にいねぇよ……」ヨットが転覆し、わずかな水とビスケットで太平洋を漂流した27日間(2018年)

凶犯

  • 2021/09/14 06:24
  • カテゴリー:読み物

彼らは、心底憎みきっている相手に、表立っては反対できないものの、誰かがこれを始末してくれることを期待しているのだ。荒唐無稽と言ってしまえばそれまでだが、これは確かな事実だ。もしかしたら、これは中国人に最も典型的な恨みの晴らし方なのかもしれない。ならば、「四兄弟」のような連中がすべて一掃された時、中国人の個性も激変するのだろうか。

暴力と金で村を牛耳る「四兄弟」。それはまた、政治や社会の矛盾、官僚の汚職、退廃的な世情、貧富の差など、国が抱える諸問題の象徴でもある。引用は、張平著「凶犯」荒岡啓子訳(新風舎文庫、2004年)から(p321)。

勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」のあとがきで、本書が紹介されている。脱稿した後に「どうしても一冊加えたい」本だったと。実際に読むとその気持ちがよく判る。「凶犯」、この話は確かにすごい。

文庫100冊(サイト内)

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