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兵士に聞け

  • 2021/10/12 06:31
  • カテゴリー:読み物

見えないものに怯えているというか、逃げを打っているというか、要するにストレートでも変化球でもなく、敬遠策なのである。

著者のインタビューを受けることになっていた自衛官が姿を見せなかった。取材を受けないよう、上官から指示が出たのだった。待ち合わせの場所に近づくこともないようにと。引用は、杉山隆男著「兵士に聞け」(新潮文庫、1998年)から(p442)。

研究所のメンバー数人が選ばれて人事部によるインタビューを受けたことがある。どういう名目だったかは忘れたけれど、現場の様子を生の声から知ろうとしたのだろう。人選は無作為、全社で実施、と説明があった。インタビューの数日前に所長から呼び出された。私が対象者であることは職制に伝えられていたのだ。所長が語るのは遠回しな表現ではあったけれど、その意図はすぐに判った。要するに、弁えろよ、だ。本音は、その自衛官の上官のように、インタビューを阻止したかったのではなかったか。「おまえじゃ何を言い出すかわからない」と。

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