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キーワード「べらぼう」の検索結果は以下のとおりです。

べらぼう(20)

来ぬ人を待つほど恨むゆ鰻は焼くやも塩かタレ惑いつつ

遅れてやって来た、土山宗次郎(栁俊太郎)、狂名「軽少ならん」、が定家を下敷きに一首詠む。この日のお題は、鰻に寄する恋。

それを聞いた、大田南畝(桐谷健太)、狂名「四方赤良(よものあから」、が、馬鹿笑いをする。当時随一の知識人は、品性よろしくない人物として描かれている、のかな。

大河ドラマ「べらぼう」第20回「寝惚けて候」から。

土山の名前は、鈴木俊幸教授(中央大学)の講演「蔦屋重三郎のまなざし」で確か述べられていた。聴き直してみると、第2回の37分過ぎた辺りで語られる。「誰が南畝を贔屓にしていたのか、一番のパトロンは土山宗次郎って男。これは田沼の側近。田沼追い落としの最中に早々に死罪になっちゃう。土山は、大文字屋の誰袖(たがそで)っていう遊女に馴染みになっていて」云々。

へえそんな展開になるのか。狂歌と幕政が絡んで来る。誰袖花魁は、蔦重に一方的に好意を寄せる「かをり」のことだ。

続けて聴いていると、蔦重が日本橋に店を構える話になる。天明3年(1783年)9月、日本橋通油町(とおりあぶらちょう)に。鈴木教授がこんなことを言う。「丸屋小兵衛っていう老舗の地本問屋の店と蔵を買い取ってそこに進出する」と。

丸屋小兵衛は「べらぼう」の何回か前に登場していた。往来物の得意先を、蔦重の耕書堂に奪われてしまったと報告する役。鶴屋喜右衛門(風間俊介)に「丸小(まるこ)」さんと呼ばれていた。得意先を奪われる、店と蔵を買い取られる、そうなるのか。

鈴木教授の講演は、60分×全4回で蔦重の死に到る。「べらぼう」の方は、今、その第2回の終わり辺りに差し掛かっている。

べらぼう(サイト内)。来ぬ人を松帆の浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(20)寝惚けて候(NHK総合、5/25 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】鈴木俊幸(中央大学教授)、知らなかった!蔦屋重三郎が「耕書堂」を構えた日本橋通油町に、版元が集中していた理由

べらぼう(17)

この年(安永9年)、皆あまり注目しないのだけれど、蔦重は往来物の出版を始めている。

鈴木俊幸教授(中央大学)はそう言ったけれど、大河ドラマ「べらぼう」第17回「乱れ咲き往来の桜」は、蔦重の往来物に大いに「注目」した。

往来物とは、庶民教育のための初等教科書のこと。鈴木教授によると、蔦屋重三郎は、死ぬまでに、7、80点は手掛けたのだとか。往来物は、流行り物の青本や黄表紙とは違って長期に渡る商売となり、一度、版をつくれば、安定した収入源となる。

蔦重(横浜流星)が彫師の四五六(肥後克広)を訪ねて、「版木、桜のいいもんにしてくれたんですね。堅くてたいへんだったでしょ」と言えば、「恩に着ろよ。往来物は、字がきれいに出て、長持ちしないといけねぇからな」と四五六が応える。そんな場面があった。

サクラ材は本当に堅い。状態の良い刃物が要る。四五六のような腕の良い彫師は、また刃物研ぎも頗る上手かったのだろう。

べらぼう(サイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(17)乱れ咲き往来の桜(NHK総合、5/4 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、「道具半分、腕半分」

べらぼう(16)

いいできになったじゃん。恩が恩を呼ぶ、めでてぇいい噺だよ。ともに考えててくれた人もきっと喜んでくれると思うよ。

と、戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。ははぁんと思った。蔦重(横浜流星)そして姿をくらました瀬川(小芝風花)、二人が一緒に考えた物語が本になるのだと。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第16回「さらば源内、見立は蓬莱」から。

その新作の題は「伊達模様見立蓬莱」。これで検索すると、やはりそうだった。番組の時代考証を担当した方がYahooに書いている。助けた亀が恩返しに花魁を身請けする云々という噺らしい。前々回、二人は一つ布団の中で亀の恩返しのことを語り合った。

この「伊達模様見立蓬莱」については、鈴木俊幸教授(中央大学)も語っていた。注目すべき点は、蔦重が初めて手掛ける黄表紙(挿絵付き小説)だったこと。安永9年正月、黄表紙など新作10冊を一挙に刊行する。見立蓬莱はそのシリーズの一冊。

それと、その巻末には、シリーズの広告を掲載。芝居の幕が開くと、桜の木の枝に短冊がぶら下がっている、そんな絵になっている。短冊各々には新作の題が記入されている趣向。例えば、威氣千代牟物語、うそ八百萬八傳、龍都四国噂などなど。

鈴木教授は、絵に描かれている、幕引きの男に関心を寄せる。背中に紋が見える。富士山形に喜ぶという文字、これ、当時の蔦屋重三郎のマーク。広告に自身を登場させ、「自分の黄表紙商売の幕開けを表現している」。なかなかのセンスだ、と。

番組の途中、蔦重は「伊達模様見立蓬莱」の挿絵を、北尾重政(橋本淳)に頼んでいた。そして、最後に実際に刷り上がった広告ページを蔦重は満足そうに眺める。のだが、そのすぐ直前に、蔦重が口上を述べ、芝居の幕が開くシーンがあった(44分頃)。それは彼の夢想なのだろう。

べらぼう(サイト内)。ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(16)さらば源内、見立は蓬莱(NHK総合、4/20 20時)、【今日の蔦屋重三郎】蔦重と瀬川が夢見た「伊達模様見立蓬莱」とは~大河「べらぼう」の時代考証者が語る、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸

べらぼう(15)

売れる売れないはどうでもいいのよ。こんなもんは遊びなんだから、楽しけりゃそれでね。で、誰とやるのが一番楽しいか、って言われたら、そりゃ、おまえさんなんだよ。

戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。彼にはちょっと下心がある。のだが、このセリフを聞いて、誰をバスに乗せるか、の話を思い返した。何かを始めようとする際、仲間選びこそ重要で、何をするかなんてことは後回しで良い、という事業開発の秘訣。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第15回「死を呼ぶ手袋」から。

この回、始まってすぐに(55秒あたり)、蔦重(横浜流星)が新たに構えた店に並ぶ本が何冊か映った。題簽が、はっきり読めたのは「娼妃地理記」。著者は道蛇楼麻阿。

この本は、鈴木俊幸教授(中央大学文学部)によると、日本国ならぬ月本国の地理書(のパロディ)。女郎屋を郡に、遊女を名所に、各々見立てた、遊女評判記なのだとか。そういえば、前回だったか前々回だったか、蔦重と麻阿がそんな本のアイデアを出し合う様子が描かれていた。それが具体化された。

著者の道蛇楼麻阿、どうだろう、まあ。人を喰ったようなネーミングだ。この人、色々な名前を持っている。その一つ、朋誠堂喜三二は、干せど気散じ、つまり、懐はさびしいが遊び暮らす、というような意味らしい。狂歌を詠む際には、手柄岡持や、浅黄裏成の号を用いたのだとか。実は、どこかの藩の江戸留守居役、平沢というお侍。

言葉遊びがなかなか気が利いている。「娼妃地理記」も「笙、篳篥」の駄洒落になっていると鈴木教授が話していた。

「娼妃地理記」が出版されたのは安永6年。西暦では1777年。モーツアルトが名作をどんどん書き始める頃。ディベルティメント第15番(K287)はその年の作曲と言われる。

べらぼうフレームワーク十選(いずれもサイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(15)死を呼ぶ手袋(NHK総合、4/13 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、「旭縁起那須野俤」、平沢常富(朋誠堂喜三二、道蛇楼麻阿、1735-1813)

亀二題

検校は、亀の化身ってのはどうだい。助けた亀が恩返しに来るんだよ。瀬川は身請けされて龍宮城へ行くのさ。そりゃもう楽しく遊んで。間夫んとこへ帰るのさ。

蔦重(横浜流星)と瀬以(小芝風花)は寝物語で、瀬川花魁の身の上に起こったことを話している。瀬以は、鳥山検校(市原隼人)を悪人に見立てることはできないと言う。

大河ドラマ「べらぼう」(14)「蔦重瀬川夫婦道中」から。この回、心躍るようなタイトルが付いているのだが、それは、ほんのしばらくのこと。瀬以は、涙、涙の手紙を書く。

亀って、水槽の大きさに合わせて大きくなるんですって。小さい水槽に入れてると、小さいまま成長しない

蔵書が成長できるように、計画中の新居では、目一杯、本棚を造るらしい。「心おどる あの人の本棚」第2回から。この回の「あの人」は「池澤春菜(声優・作家)」。

NHKプラスで続けて観た番組、両方に亀の話が登場した。縁起がいいかもしれない。

べらぼう(サイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(14)蔦重瀬川夫婦道中(NHK総合、4/6 20時)、心おどる あの人の本棚(2)池澤春菜(NHK-Eテレ、4/8 21:30)

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