陸王
- 2024/07/12 06:05
- カテゴリー:読み物
倒産ってのは、ぎっくり腰みたいなもんなんですよ
ある日、突然、出る。一度やると大抵クセになって、またいつか発症する。会社の経営者も同じようなもので、倒産グセがある。そんなことを専務の富島が言う。
引用は、池井戸潤著「陸王」(集英社、2016年)から(p209)。
斜陽の足袋業者が、会社存続のために新規事業を思い立つ。これまでに培って来た足袋製造技術を活かしてランニング・シューズの開発に挑む。
# 池井戸潤(サイト内)
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倒産ってのは、ぎっくり腰みたいなもんなんですよ
ある日、突然、出る。一度やると大抵クセになって、またいつか発症する。会社の経営者も同じようなもので、倒産グセがある。そんなことを専務の富島が言う。
引用は、池井戸潤著「陸王」(集英社、2016年)から(p209)。
斜陽の足袋業者が、会社存続のために新規事業を思い立つ。これまでに培って来た足袋製造技術を活かしてランニング・シューズの開発に挑む。
# 池井戸潤(サイト内)
晴れた日に傘を差しだし、雨の日に傘をとりあげるといわれます。ですが、それは間違っています。たとえ雨が降っていたとしても、それが土砂降りの雨であっても、きちんと返済できると信じるに足る企業には、融資を実行してきたのです。その見極めこそが融資の根幹であったはずです。
融資の要諦は回収にあり。返せない会社には貸さない。我々の身の周りでよく言われる、営業の基本は与信管理、これも同じ。代金を払えない会社(人)には売らない。引用は、池井戸潤著「株価暴落」(文春文庫、2007年)から(p278)。
最寄り図書館では、除籍になった本が時々まとめて放出される。これはその折にいただいた一冊。「Zero Emission リサイクル資料」のスタンプが押されている。
何もするなという指示は、ありがたいようで実はそうではない。本当に何もせずにいると、いざ指示が出たときに対処できないのだ。それなりの準備を整えておかねばならない。
緊急の(かつ重要な)仕事に振り回される、それを避けるための心得。今野敏著「隠蔽捜査」(新潮文庫、2008年)から(p249)。読み終えてすぐにシリーズ次作を予約した。
K氏に宛てたメールの中でこんなことを書いた。「最近読んだ中では、池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」と今野敏著「隠蔽捜査」、この2冊はとても楽しめました。両方とも不祥事が描かれます。旧財閥系自動車メーカー、警察官僚の世界、舞台はまったく違うのですが、共通点があります。双方とも、東大出身者が牛耳る組織重視の集団という点です。特に「空飛ぶタイヤ」の中で語られる組織のバカさ加減は的確です。モデルは「組織」の三菱。大いに笑いました。
きみの不安や、罠にかかったような気持がよくわかるし、きみの夢も理解できる、ぼくだってぼくなりの夢を持っていたんだから、といってやりたい衝動に駆られる。だが世界の仕組みはあまり知りすぎないほうが良い。
W.P.キンセラ著短篇集「野球引込線」(文芸春秋、1992年)の表題作から(p73)。読みたい本リストの底の方にあった。2年前に読んだ、池井戸潤著「シャイロックの子供たち」の中で引用されていたようなのだが、どういうことだったか忘れてしまった。
スタンとジャックは学校で同じ野球チームにいた友達どうし。36歳になった今でも二人は夢に囚われている。スタンは3Aリーグにいてメジャー入りを目指し足掻く。ジャックは、皆にばかにされながらも、昔存在したセミプロリーグのことを調べるために図書館に通う。いつまでも続けられない、もう潮時だ、と二人は思っている。そんな折、鉄道の操車場に、かつて球場まで繋がっていた引込線が残っていることを知り、二人はそこへ出掛けて行くのだった・・・。
# シャイロックの子供たち(サイト内)
どんな組織だって、誰かがいわなきゃ動かない。みんなが、”自分ひとり頑張ったところで”って諦めてるから動かないだけ
池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」(実業之日本社文庫、2016年)から(p129)。
妻にそう指摘されて彼は動く。社長へレターを書き組織の自浄作用を促そうとする。が、機能しない。それどころか自身も悪党に手懐けられてしまう。トップまで腐っているのだ。こうなると、できることは限られる。一番に思い付くのは、彼がやったように、警察へ告発することだ。
ちょっと長いけれど(文庫で8百ページ超)、ケーススタディにいいかもしれない。大企業病に罹って内向きの仕事ばかりしている人たちにとって、何のために仕事をするのか見直すのに好適な題材になるように思う。