夏目漱石先生の追憶
- 2020/06/03 06:55
- カテゴリー:読み物
ずいぶん熱心に句作をし、一週に二三度も先生の家へ通ったものである。そのころはもう白川畔の家は引き払って内坪井に移っていた。立田山麓の自分の下宿からはずいぶん遠かったのを、まるで恋人にでも会いに行くような心持ちで通ったものである。
漱石との出会いを記した、寺田寅彦の随筆を読んだことがある。タイトルに、確か、夏目漱石の文字が入っている。青空文庫で確認した、「夏目漱石先生の追憶」だ。強く印象に残っている、まるで恋人云々の箇所を抜き書きした。
引用部分にある、立田山麓の下宿から内坪井の漱石宅まではGoogleマップで2キロ半ほど。現在なら徒歩で半時間。明治の当時であれば、どのくらいの時間がかかったんだろうか。