ユダヤ人はなぜ
- 2022/04/27 06:25
- カテゴリー:読み物
ユダヤ教に正統性があれば、キリスト教は無効であった。この点こそ、キリスト教徒のユダヤ人への憎悪、それも歴史上もっとも長く受け継がれてきたユダヤ人憎悪の根源である。
なるほど、宗教の争いなんだな。デニス・プレガー、ジョージェフ・テルシュキン著「ユダヤ人はなぜ迫害されたか」松宮克昌訳(ミルトス、1999年)、第8章「キリスト教の反ユダヤ主義」から(p151)。原題は、Why the Jews? - The Reason for Antisemitism
四世紀、ローマ帝国が多神教信仰に代わって一神教を公認。この時、二つの宗教の争いが鮮明になる。帝国が国教に選定したのは、ユダヤ教ではなく、ユダヤ教から派生したキリスト教だった。そっちの方が、ローマの人々にとって「はるかに受け入れやすかった」。ユダヤ人は、ユダヤ教こそ唯一絶対の神を信仰する宗教だ、とその正統性を主張しキリスト教会に挑戦する。教会はユダヤ排除に手段を尽くす。古代からあったユダヤ憎しの感情がより一層認識されるようになった。
20世紀の「ホロコーストはキリスト教を信じるヨーロッパで起きた。」「何世紀も昔からのキリスト教徒による根拠のない反ユダヤの中傷をナチが利用した」(p174)ことを本書は指摘している。
ユダヤ人が憎まれるのは、「ユダヤ人がユダヤ人らしいからである」とも言われる。それはいったい何なのか。大きく分けて四つある(p18)、1) 強固に伝承されて来たユダヤの教え、神(Yahweh)、律法(Torah)、そして国(Israel)、2) 祈りの言葉「神の掟のもとにこの世を完成させんために」、3) 選民意識、4) 質の高い生活。
# 緊張感持ち生きる(サイト内)。ゼレンスキー大統領が批判する「兄弟」国イスラエルの事情(4/12)