若き指揮者たち
- 2026/01/10 07:32
- カテゴリー:音楽
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キーワード「N響」の検索結果は以下のとおりです。
先日、プーランクの六重奏曲について書いた際に、サヴァリッシュがピアノで参加した演奏が途中で止まってしまったことに触れた。おぼろげな記憶では、30年ほど前、NHK-FMでのスタジオ生放送だった。
その番組を特定しようと、NHKクロニクルで検索してみた。サヴァリッシュに、プーランクや、六重奏曲、室内楽をかけ合わせてみる。はたまた、サバリッシュに替えてみる。
教育テレビの「室内楽への招待」(1980/5/5)に、「六重奏曲」ブーランク作曲とある。サヴァリッシュと小出信也らN響の面々による演奏。ブーランクか、これはプーランクのことだろう。彼らのレパートリーになっていたようだ。
30年ほど前のFMの番組となると、リムスキー・コルサコフ作曲「ピアノと木管のための五重奏曲 変ロ長調」が、ベストオブクラシック▽N響室内楽の夕べ(1996/4/8)にあった。が、その頃に、プーランクは見当たらない。
NHKクロニクルでは、おぼろげな記憶にあるFM番組を特定することはできなかった。念のため、GoogleさんのAIモードに、以下のように尋ねたけれど、これでも埒が明かなかった。
Q)プーランクの六重奏曲 30年ほど前だと思う。ヴォルフガング・サヴァリッシュがピアノを弾いてN響のメンバーと室内楽曲を演奏するという企画
Q)NHKクロニクルのサイトでは見付けられませんでした。プーランクが生演奏されたのは、何か、クラシック音楽の特別企画番組だったようなおぼろげな記憶があるのですが、そのようなFM番組はあったでしょうか。
Q)プーランクの六重奏曲の演奏が、途中で止まってしまった事例はあるでしょうか。
# Re: プーランクの六重奏曲(サイト内)。過去番組表検索 NHKクロニクル|NHKアーカイブス
NHK-Eテレで放送された、ブロムシュテットが振る北欧プログラムのあとに、プーランクの六重奏曲がおまけで放映された。レ・ヴァン・フランセが2023年に来日した折の演奏(東京オペラシティ・コンサートホール、2023/3/6)。
彼らの管楽五重奏+Pfという編成で最も重要なレパートリーの一つだろう。演り慣れているに違いない。安心して聴いていられた。が、
事故があった。第2楽章の終盤、その楽章の冒頭でオーボエが吹く旋律が再現される。クラリネットから始まってホルンへと受け渡されるところ、ホルンが一小節、丸々、フレーズを吹き忘れた。ホルンは名手ラドヴァン・ヴラトコヴィチ。珍しいこともあるものだ。他の奏者は、え、と思っただろうが、それ以上の乱れは生じることなく進んでいった。
ライブだと時としてそういうことが起こる。
いつだったか、この同じ六重奏曲で止まってしまう事例に接したことがある。30年ほど前だと思う。ヴォルフガング・サヴァリッシュがピアノを弾いてN響のメンバーと室内楽曲を演奏するという企画。収録ではなく、スタジオでの生演奏が、NHK-FMでオンエアされた。
途中、誰かが入りを間違えて修復できず音楽が崩壊。止まってしまった。放送事故の一つと言っていいだろうか。そんなことが起きたのだ。古い話。
# 北欧プログラム、N響#2045、プーランクの六重奏曲(いずれもサイト内)。クラシック音楽館(NHK-Eテレ、11/9 21時)、Wolfgang Sawallisch(1923-2013)
多くの音楽家は、ある種のメランコリーを抱えていて、高い理想とともに完璧を求めます。音楽のあらゆる秘密を知りたいという渇望。しかし、そこに至るには謙虚さが不可欠です。
クラシック音楽館「N響第2045回定期公演」。このテレビ番組で、指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットがそんな話をしていた。
この北欧プログラムの定期公演は先にラジオで聴いた。一曲目のグリーグ。すっきりとして端正。それでいて溌溂としている。気持ちの良い演奏だった。指揮者の名前を聞き漏らしたのであとで調べようと思っていた。
グリーグ作曲
「ホルベアの時代から」
(指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット
(管弦楽)NHK交響楽団
2025年10月9日、サントリーホールで収録
調べないままに何日か経って、このテレビでの放映をたまたま観た。なんと、指揮は、ブロムシュテットだったのだ。もう立っては無理なのだろう、椅子に座って振っている。なにせ百歳に手が届く高齢。にもかかわらず、あの瑞々しい演奏だ。驚いた。
# N響、弦楽器の曲十選、ライジング若冲、性格はかえられるのか、大延長(いずれもサイト内)。クラシック音楽館▽N響第2045回定期公演」(NHK-Eテレ、11/9 21時)、ベストオブクラシック▽N響第2045回定期公演(NHK-FM、10/30 19:35)【曲目】組曲「ホルベアの時代から」(グリーグ)/フルート協奏曲(ニルセン)/交響曲第5番変ホ長調Op82(シベリウス)【出演】セバスティアン・ジャコー(フルート)/ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)【収録】2025年10月9日(木)サントリーホール【解説】舩木篤也(音楽評論家)【案内】金子奈緒。Herbert Blomstedt(1927-)
フィンランド人の多くは、ルター派に属し、祈りよりも内省的だ
以前、タピオラ・シンフォニエッタで交響曲第6番を振った折に、コンサートマスターからそう指摘され、シベリウス作品への接し方を変えた、指揮者のライアン・バンクロフトがそんなことを述べていた。
NHK-Eテレの番組、クラシック音楽館「N響第2044回定期公演」(10/19)から。
その指揮者はアメリカ人だ。ヨーロッパの人たちからすると、新大陸の人に欧州の音楽はわかるのかしら、と思われている節がある。が、米国もキリスト教国家だ。深いところでは通じるものがあるのだろう。音楽の本質を語り合える。
ドイツに駐在していた頃、親しい同僚がこんなことを言った。西欧の文化や芸術を深く理解するには、聖書に親しんでおいた方が良いと。異教徒の私には、やはり、壁というか溝というか、隔たりがあるのだなと思ったものだ。同僚は、聖書の次はシェイクスピアをおすすめする、と付け加えた。彼はイギリス人なのだ。昔のそんなやり取りを思い出した。
シベリウス作曲
交響詩「4つの伝説」作品22
(指揮)ライアン・バンクロフト
(管弦楽)NHK交響楽団
2025年9月26日、NHKホールで収録
さて、演奏の方は、2曲目の「トゥオネラの白鳥」はあまり冴えなかったけれど、それを割り引いても全体通して悪くないと思った。特に、1曲目の「レンミンカイネンと島の乙女たち」は出色と言いたくなる出来栄えだった。
ルター派的とか、内省的とか、は、やはり私には判然としなかったけれど。
# N響、宗教国家アメリカ、ご趣味は?、子規、逝く(いずれもサイト内)。N響第2044回定期公演▽クラシック音楽館(NHK-Eテレ、10/19 21時)