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キーワード「USスチール」の検索結果は以下のとおりです。

六紙社説、各紙の一本

在京六紙の社説、この二週間分のタイトルをざっと眺めて、各紙の一本を選んだ。できるだけ他で見かけないテーマのものを。

「引き取り手のない遺体 対応のルール作りが急務」(毎日、5/15)。今後、「遺体の引き取り手が見つからないケースの増加が見込まれ」る。「2023年度は死亡全体の2・7%に当たる約4万2000件に上った」。

「タワマンの未来 神戸が投げかけた疑問」(朝日、5/17)。「空き部屋が目立つ状況にならないか」「修繕や将来の建て替えが滞らないか」。「タワマンは持続可能ではない」。

「少年の殺傷事件 『殺したい』の闇、解明を」(東京、5/17)。そもそも「多感な10代の心の内を周囲が知ることは容易ではない」。「心の闇は深い」。「心理のひだにまで分け入り、事件の全容を解明するよう求めたい」

「パブコメ制度 行政への大量投稿は民意か」(読売、5/19)。「SNSを通じた組織的な動員」。「民意を正確に反映しているとは言い難い」。同じ意見を「多数提出しても、数は考慮の対象とならないという注意書きを加えたのは妥当」。

「普選法100年 選挙権の重みを感じたい」(産経、5/20)。「良くも悪くも政治は国民の鏡である。政党や政治家に不満があるなら投票で示すべきで、選挙権を行使しなかった人が不満をぶつけても説得力はない」。ベルギーや豪州では、棄権すると罰則があるのだとか。

「公正な選挙守ったルーマニア」(日経、5/23)。昨年11月の選挙では「ロシアによる選挙介入疑惑が浮上」、「SNSを駆使」。今回のやり直し決選投票では「選挙関連コンテンツの監視を強め」、偽情報による広告などについては「SNSのプラットフォーマーに」「コンテンツの削除を義務付けた」。

さて、最近の六紙社説は、そのほかに、年金改革法案、台湾頼政権1年、GDPマイナス、サイバー防御法成立、トランプvsハーバード大、日産リストラ、江藤農相コメ発言で更迭、日鉄のUSスチール買収承認へ、日米関税交渉、などを話題にした。

六紙社説、「彼ら」に映る「私たち」(いずれもサイト内)

遠い道のりを一歩ずつ

ここ一週間、在京六紙の社説はどんな話題を採り上げたろうか。この期間に全部で70本ほどあった(4/7-12付け朝刊)。

トランプさんの関税がらみがやたらと多い。22本もある。「報復合戦」や「貿易戦争」という文言までタイトルに登場し大騒ぎの様相。

そのほかに、複数紙が書いた話題は、ETC大規模障害(5)、両陛下硫黄島訪問(4)、大阪万博開幕へ(3)、中国軍の演習(2)、ガザ侵攻再開(2)、増加続く児童虐待(2)、オンラインカジノ(2)、そして、日鉄USスチール買収再審査(2)。( )内は本数。

あとは、一紙のみが採り上げた単発の話題。全体の約1/3。「企業献金」や、「南海トラフ地震」「サイバー法案」「東電再建計画」など、前週から続くテーマもあれば、「警視庁新公安3課」や、「介護離職」など、目新しい題材もある。

単発の話題に、「森下九段が千勝 『無冠の帝王』の大記録」というタイトルがあった。東京新聞の9日付け。

将棋の森下卓九段(58歳)が公式戦通算千勝を達成。史上12人目。これまでの11人は皆タイトル獲得経験者ばかり。タイトル戦に勝利したことのない棋士による千勝は初。

一歩一歩、着実に進んでいけば、ずいぶん遠くまで行ける

そう教えてくれる大記録、と社説は書いている。いい言葉だ。社説もネガティブな話題が多い昨今、一条の光を見る思いがする。

六紙社説(サイト内)

USスチール買収の行方

USスチールの子会社、ビッグリバー社だけを買収できると、その技術を日本の電炉に応用することによって大幅な生産性の向上を図ることができる。この買収問題の落としどころになるかもしれない。

へえそんな話があるんだな。NHKラジオの番組で、吉崎達彦氏が話していた。確かに、買収するのがUSスチール全部だと、お荷物になりかねない。美味しいところだけを、つまみ食いする方が良さそうだ。

高炉での鉄鋼生産は石炭を使うので二酸化炭素の排出が問題視される。一方、炭酸ガスの排出量が少ない電炉法がある。世界的には、まだまだ高炉が主流で、高炉と電炉の生産量の比率は7:3ほど。ところが、米国は、電炉シフトで先行しており、その比率は、3:7と逆転している。

ビッグリバー社(Big River Steel)は、アーカンソー州にあるUSスチールの子会社。最先端の電炉設備を備えているのだとか。

トランプ大統領は、今のところ、日本製鉄によるUSスチールの買収に大反対。とは言うものの判断を変える可能性はある。大統領は米国経済の将来に対して責任のある立場だ。吉崎氏はこう指摘していた、「海外からの投資を拒否したという前例を残すのは、今後の米国経済にとって良いことではない」と。

USスチール(サイト内)。「USスチール買収の行方」吉崎達彦(双日総合研究所チーフエコノミスト)▽マイ!Biz(マイあさ!、NHKラジオ第一、1/27 6時台後半)

マクナマラの誤謬

マクナマラの数字第一の戦略は、アメリカの政策を正しく導けませんでした。計測できるものは計測して、計測できないものは忘れようと考えるのは、致命的な失敗への第一歩

社会学者のダニエル・ヤンケロビッチは、定量的観測にのみ基づいて決断を下することをマクナマラの誤謬と名付けた。マクナマラはベトナム戦争時のアメリカ国防長官。ベトコンの死者数を指標として戦いの趨勢を見極めようとしたが、その数が増えても戦況は悪くなるばかりだった。

映像の世紀バタフライエフェクト「ベトナム戦争 マクナマラの誤謬」から。

数字にばかりこだわり全体の状況が把握できない、これはよくあることだ。

例えば、日本製鉄によるUSスチールの買収もこの誤謬のニオいがする。経済的な観点からは両者が一緒になることは双方にとって好ましい。しかし、日本企業による買収を、米国の国民や政権がどう感じるかはよく検討されなかったのではないだろうか。

働く人のモチベーションは、昇給や昇格だけで左右されると考えがちな管理職や組織が抱える過ち。これなんかもこの誤謬に通じるものがあるような気がする。

USスチール買収阻止モティベーション論(いずれもサイト内)。映像の世紀バタフライエフェクト「ベトナム戦争 マクナマラの誤謬」(NHK総合、1/23 23:50)、Robert McNamara(1916-2009)、Daniel Yankelovich(1924-2017)

USスチール買収阻止

バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止すると発表した。米国の安全保障を損なうと判断したからだ。しかし、USスチールの経営陣も買収に賛同し、株主総会でも承認されていた。何せ、生き残りのため他社との資本提携を模索していたほどだ。今回の買収阻止は経済合理的な判断では決してない。

在京六紙の社説がどのように書いているかざっと見てみた。

「日米関係に禍根残す買収阻止」(読1/5)「中国の鉄鋼メーカーが安価な製品の輸出攻勢をかける中で、日米の製造業を代表する企業が連携し、対抗する象徴的な枠組みになり得ただけに、損失は大きい」

「買収阻止は不当な介入だ」(経1/5)「日鉄による技術移転や投資が米国にどんな恩恵があるのか。株主や政府、労組だけでなく、もっと広く米国民の理解を得る必要がある。経営トップが顔の見える形で丁寧に説明してもらいたい」

「看過しがたい米の独善」(朝1/7)「今回の禁止命令は、日本を含む友好国に対米投資を尻込みさせかねない」

「信頼損ねる理不尽な判断」(毎1/7)「安全保障は方便に過ぎず、自国企業を守る姿勢を国内向けにアピールするのが狙いではないか」「民主党の失地回復に向けて、労組に配慮したとの見方がある」。全米鉄鋼労働組合(USW)は反対していた。

「買収阻止の再考求める」(東1/7)「日鉄は米政府を提訴したが、同様の決定が覆った例はほぼなく勝訴は難しい状況だ」。「米シンクタンクのハドソン研究所などによると、米国防総省は米鉄鋼業界からすでに十分な鉄鋼の供給を受けている、という」

「日米同盟強化と両立図れ」(産1/9)「買収実現に向け、日本政府が米政権に積極的に働きかけた跡はうかがえない」、石破氏は米トップと早急に会談し「買収計画が対中競争力を高め日米共通の安保上、経済上の利益となることを説く必要がある」。「買収阻止とそれによって生じる感情的しこりが日米関係を軋ませ、強固な同盟を犠牲にすることは決してあってはならない」

各紙とも買収阻止の判断に苦情を申し立てている。が、個人的には、日本製鉄は、そこまでやってUSスチールを救済する必要があるのか、と疑問視していたので、この判断が、同社が他に目を向ける良い機会になるのでは、と思ったりもする。

さて、1/6wの六紙社説は、そのほかに、新年展望、石破首相の年頭会見、川重が海自に便宜供与、鈴木修さん死去、袴田氏無罪検証、教員の心の病・介護職員の減少・不足する自衛官、石破首相の外遊、などを話題にした。

六紙社説(サイト内)

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