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日本版ライフシフト戦略

  • 2022/04/16 06:13
  • カテゴリー:読み物

会社は働かないおじさんを解雇できないし、ほかに移すポジションもありません。おじさんたちは仕事へのやる気もなく、ただ定年を待つだけ。頭数としてはカウントされているが、実質的に工数ゼロの働かないおじさんを見て若手はフラストレーションを溜めるのです

50代後半のおじさんが働かない、と若手管理職が嘆く。そんなおじさんは「妖精さん」とも呼ばれるのだとか。徳岡晃一郎、木村勝共著「ミドルシニアのための<日本版>ライフシフト戦略」(WAVE出版、2021年)から(p100)。新着コーナーにあったのを借りた。

「人生100年&80歳現役時代」を生き抜いていくために(p2)と煽る。確かにそうなる人もいるだろう。まさか全員ではない。どういう人がそうなりそうで、さらにその内のどういう人が対策(本書で言う戦略)を必要とするのか、まず、それを考えるべきでは。とも思うけれど、本書を買う(読む)のは、自分が対象者だと思うおじさんだろうから、そこで選別されるわけだ。

が、そうやって手にするおじさんに、果たして、本書は役立つだろうか。例えば、転職経験のないミドルシニア(40歳~)に、30代での中途採用が強化されている(p39)と知らせても酷なだけだ。事程左様に手遅れっぽいアドバイスが多いように感じる。そもそも、いい年になり、この本を読まなければ、と思うおじさんが、一冊の本を読み何かに目覚めるのは、そう簡単なことではない。気付く人はもっと早くに気付いている。

社会全体としては、雇う側のダメージこそ心配すべきでは。50代後半から働かなくなるおじさんの定年が65歳、70歳と延びて行く。さらに十年、十数年と、雇用し続けなければならないのだ。どう扱えば良いのか、若手管理職の憂鬱は晴れることはない。彼ら向けの指南書の方が、余程、必要とされるのではないだろうか。

非営利組織の経営(サイト内)。社説「年金の選択肢拡大を働くシニアの拡大につなげたい」(経3/29)

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