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戦後80年の産業史

オープンで謙虚、そして新しいことに果敢に挑戦する姿勢こそ、40年の停滞に終止符を打ち、日本が成長力を取り戻す道である。

日本経済新聞の社説「経営革新で停滞の40年に終止符を」(8/14)から。オープンで、謙虚で、果敢に挑戦する、そういう姿勢を失いたくないものだ。

社説は、戦後80年を産業史の視点で振り返っている。大戦での敗戦から「1985年までの前半40年と、後半の40年できれいに明暗が分かれる」。前半は、戦後復興とそれに続く高度成長期、そして後半は、バブル騒ぎから始まった停滞期。

なぜ停滞してしまったのか。社説はこう指摘する。「活力の衰え」「過去の成功体験にしがみつき」「変革から逃げた」「新機軸に挑む熱意も低下」と。

私は、その後半40年に参戦した一人だ。1987年に就職。研究部門を皮切りに以降もずっと事業開発に身を置き、「新機軸」に挑み続けた。が、

配属先の主任研究員は、目標も判断も、妙に手堅い感じがした。アツくない。転勤した時の上司にも同じ雰囲気があった。社説が指摘するように「成功体験が足かせ」になり、挑戦への熱意は今一つ、だったように思う。二人は団塊の世代だった。

団塊の皆さんは、60年代後半から70年代前半にかけて就職し、成長期のいい時代を経験している。社会の中で大きなボリュームだった彼らが、長く管理職に居座り続け、新しいものを生み出そうとする動きに蓋をした。日本全体で、それが起きていたのではなかろうか。

転職した先では、上司はイギリス人だったこともあって、伸び伸びやらせてもらった。実績を積んで、さらに転職。今度は自分が管理職の立場になった。部下を率いて新たな事業をつくることには不安はなかったけれど、上層部を説得するのにだいぶ時間を要し、これには甚だ閉口した。団塊の世代が経営幹部になっていたのだ。

1947年から49年にかけて生まれた人たちだから今年で76歳から78歳。大企業はもちろん中小でも、団塊世代の経営者は、ほとんど、去っただろう。そういう点でも、「日本が成長力を取り戻す」、それが本格的に起きる時代が来つつあるのかもしれない。

人口動態の中で大きなボリュームを占める団塊の世代。社会や、経済、政治もかな、何かにつけ、彼らの考えや行動が少なからず影響した(する)ように思う。

さて、8/11の週、在京六紙の社説は、そのほかに、日航機事故40年、首相の進退、コメ増産政策、週刊新潮の差別コラム、広陵甲子園辞退、米統計局長解任、終戦の日、戦後80年首相見解、米露首脳会談、などを話題にした。

六紙社説、孤立死2万人超(いずれもサイト内)

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