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不思議なことに、失望や怒りはまったくなかった。今聞かされたことを、私は全部とっくに知っていたような気さえする
知っていて、守ってきた虚構ではなかったのか、と主人公は思う。井上荒野著「ベーコン」(集英社、07年)に収載された「煮こごり」から(p121)。NHK ラジオ文芸館のリストに並んでいるのを見て、読んでみようと最寄り図書館で借りて来た。