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代書屋

先日読んだ井上荒野著「煮こごり」は、彼氏がトラに噛み殺されることから話が始まる。トラと言えば、中島敦の「山月記」、そして落語の「代書屋」。その落語の音源を引っ張り出して聴いてみた。

晩、山の中歩いてて虎にくわれて死んだです。きれいに片付けた。

渡航証明書の代書を頼みに来た朝鮮人がそう言う。この部分を含め、話の後半は、桂米朝の音源でしか聞いたことがない。他の噺家(の口演)は、おれが聴いたことがあるものに限っては、前半で終わってしまう。米朝は、冒頭で「師匠の33回忌」と言う。1983(昭和58)年、四代目桂米團治三十三回忌追善公演での録音のようだ。YouTube にもある。

手元にある音源、各々の時間を計ってみた。一人目の客がこんにちはと来店するところからおしまいまで。まず、その米朝の83年口演は、28分で後半も含む原形。以下は、いずれも前半のみ。長い順。桂雀々22分、師匠ゆずりの例の「ポンでーす」でだいぶ引っ張る。その師匠、枝雀は21分、これはポンが登場しないバージョン。桂春団治14分、十八番、オーソドックス版。金原亭馬治11分、桂小南8分、柳家権太楼8分、東京落語の面々は短め。

https://ja.wikipedia.org/wiki/代書
http://kamigata.fan.coocan.jp/kamigata/rakug343.htm
桂米朝「代書」※完演版

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