Re: 組織戦略の考え方
- 2021/07/20 06:22
- カテゴリー:読み物
社内で新規事業開発の企画を正当化するのに、事業内容の検討に六割、社内正当化プロセスに四割の時間を必要とするというのは明らかに病気であろう。社内から出てくる批判の対処に四割も時間をとられていては仕事が遅くなり、また実質的な内容の吟味が浅くなる。
大雑把に言って「三割以上」で、かなり深刻な病状。沼上幹著「組織戦略の考え方」(ちくま新書、2003年)、第10章「組織腐敗の診断と処方」から(p206)。一年前に欲求階層説のところ(第4章)を拾い読み。今回、人にすすめた手前、また借りて来て、全体にざっと目を通した。
フリーライダーの件(第5章)は、例示されている労組の話が、今一つ、適切でないように思った。上手く換骨奪胎して、実地への応用を図りたい。
多くの章は、雑誌「プレジデント」で連載されたエッセイだったことが、あとがきでふれられている。それは一度、伊丹敬之ら著、一橋大学ビジネススクール「知的武装講座」(プレジデント社、2002年)に、「三人の先輩方」のエッセイとともに、まとめて収められた。通して読むと、沼上氏担当部分がちょっと毛色が違うように感じたものだ。そこで使われていた図も印象に残っている。
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