知略の本質
- 2021/07/22 06:37
- カテゴリー:読み物
相反しながらも相互補完的な性質を持つ二つの要素は、両極の一方のみがつねに正しいのではなく、どちらも一面的には正しいのであり、両者を相互作用させながら、情況と文脈に応じて両者の重点配分を変えつつ、ダイナミックに実践し、有効であることを実証してこそ真理である
二項対立(dichotomy)ではなく、両者の利点を生かす二項動態(dynamic duality)。野中郁次郎ら著「知略の本質-戦史に学ぶ逆転と勝利」(日本経済新聞出版社、2019年)から(p374)。「失敗の本質」に始まる四部作の第4巻。
企業の場合、例えば、利益を、ステークホルダへ配分するのか、それとも内部留保して研究開発や設備への投資に備えるのか、そのバランスということになるだろうか。ここに経営の賢愚が如実に表れる。
「実践知リーダーシップの六要素」(p381)、1) 共通善、2) 現実直観、3) 場づくり、4) 物語り化、5) 物語り実現、6) 実践知組織化。これを見てコッターが唱える「変革の8段階」のことを思い出した。
# 失敗の本質(サイト内)。J・P・コッター「企業変革力」