Re: 文庫100冊
- 2021/08/14 06:20
- カテゴリー:読み物
塩沼亮潤の出家の動機を知って、あっけにとられた。「小学校五年生のころ、NHKのテレビ番組で比叡山の酒井雄哉大阿闍梨様の回峰行を拝見しまして、何かそれに吸い込まれるような気がして、自分の人生はこれだ、と思った」というのだ。
勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p520)。塩沼亮潤、板橋興宗「大峯千日回峰行-修験道の荒行」(春秋社、2007年)が、千日回峰行に関する本の一冊として紹介されている。
引用にある「テレビ番組」は、1979年のNHK特集のことだろう。調べてみると塩沼亮潤大阿闍梨は1968年の生まれなので年次は符合する。あれを観て、千日回峰行を目指した人がいたんだな。私もその番組を観た。高校一年の冬休みだった。激しく心を動かされ、出家する決心をした。家族と進路について話し合った折に、それを果敢に伝えたのだけれど、母に泣かれ、父や兄に強硬に反対された。18歳のあの時、意志を貫ぬいていたら、果たして、どんな僧になっていたろうか。回峰行を実践することになっただろうか。
# 文庫100冊(サイト内)。NHK特集「行-比叡山千日回峰」(NHK総合、1979/1/5)。酒井雄哉|Wikipedia