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キーワード「ファゴット」の検索結果は以下のとおりです。

管楽器の曲十選

  • 2020/01/31 07:07
  • カテゴリー:音楽

今回は管楽器のための曲を10曲選んだ。協奏曲や鍵盤伴奏付きではなく管楽器のみで演奏される曲。まず木管奏者たちのレパートリーから、編成の小さい、本数の少ない順に並べてみよう。

  • ドビュッシー作曲、シランクス。フルート(Fl)独奏。調性があるようでない、ないようである不思議な曲。木管一本の曲、大バッハのソナタ(BWV1013)とどちらにするか迷った、こちらもFl独奏。
  • ヴィラ=ロボス作曲、ブラジル風バッハ第6番。Flとファゴット(Fg)の二重奏。楽器を始めた頃、江守徹ナレーションの「夜の停車駅」で初めて聞いた。この第6番でこの作曲家のことを知った。一般には第5番がつとに有名。
  • マロシュ作曲、セレナータ。木管三重奏曲、オーボエ(Ob)、クラリネット(Cl)とFg。この編成の曲はたくさんある。その中で、とりわけ、マロシュとイベールの2曲が好ましい、その次はオーリックか。マロシュはコダーイの弟子。
  • ロッシーニ作曲、木管四重奏曲第6番。Fl、Cl、ホルン(Hr)とFg。珍しい編成。6曲から成る曲集は弦楽四重奏からの編曲と言われる。この第6番に限っては木管がオリジナル。
  • ヒンデミット作曲、小室内楽曲 Op.24/2。Fl、Ob、Cl、Hr、Fg、標準編成の木管五重奏。この編成の曲は数も多く、良い曲もそこそこあるが、このヒンデミットが最右翼、と思う。ここまで一本ずつ増やして来た。次は一つ飛んで七重奏、
  • ダンディ作曲、シャンソンとダンス Op.50。木管五重奏にClとFgを一本ずつ加えた七重奏。知名度はだいぶ低い、知られざる名曲。
  • モーツアルト作曲、セレナード第12番 K388。Ob、Cl、Hr、Fg、各々二本ずつ、標準編成の木管八重奏。セレナードと言う割には、ハ短調で、深刻な音楽。元々5声部のこの曲には弦楽五重奏版(K406)もある。
  • R・シュトラウス作曲、セレナード Op.7。標準の八重奏に、FlとHrを二本ずつ、さらにコントラファゴット(C-Fg)を加えた13本で演奏。40年前に購入したスコアが今でも手元にある。ここまでで8曲、残り2曲は金管アンサンブルから、
  • プーランク作曲、ソナタ FP33。金管三重奏、トランペット(Tp)、Hr、トロンボーン(Tb)。プーランクは管楽器のための曲を多数書いている。この曲も含め名曲が少なくない。
  • デュカス作曲、「ラ・ペリ」の前奏ファンファーレ。編成は、3Tp、4Hr、3Tb、そしてチューバ。数あるファンファーレの中で最も好きなのはこの曲。ここまでで10曲。
  • 参考)木管二重奏による魔笛六重奏曲「青春」小交響曲 変ロ長調昔の愛聴盤猫の組曲(いずれもサイト内)

# バッハからヘイゼルまで、JS Bach (1685-1750)、WA Mozart (1756-1791)、Gioachino Rossini (1792-1868)、Charles Gounod (1818-1893)、Vincent d'Indy (1851-1931)、Leoš Janáček (1854-1928)、Claude Debussy (1862-1918)、Richard Strauss (1864-1949)、Paul Dukas (1865-1935)、Kodály Zoltán (1882-1967)、Franz Hasenöhrl (1885-1970)、Heitor Villa-Lobos (1887-1959)、Jacques Ibert (1890-1962)、Paul Hindemith (1895-1963)、Francis Poulenc (1899-1963)、Georges Auric (1899-1983)、Rudolf Maros (1917-1982)、Chris Hazell (1948-)

山の芝居小屋

  • 2019/07/07 06:46
  • カテゴリー:未分類

夢を見た。一座で山を越えようとしている。皆、軽装の山行きを着ている。何人かはチンドン屋の装束のままだ。おれは普段着だけれど、ズボンの膝から下は雨に濡れて色が変わってしまった。雨水が入った運動靴は歩く度にぴちゃっびちゃっと嫌な音がする。自転車を押している。さっきの峠でファゴットや楽譜の束をくくり直したので、輪行バッグが荷崩れするようなことはない。ようやく体育館のような芝居小屋に到着した。外壁が粗末なベニヤ板で覆われていることが一目見て判る。入ってみると、かつての上司がマイクを握りしめて唄っていた、いつもの持ち歌を。こっちこっちと手招きするのは、人気者だったクラリネット吹きだ。誰かに嫁いでいなくなったはずなのに、こんな山奥にいたのか。車座に加わるおれの姿を認めた元上司が、まともにできもしねぇのに、芸人とは笑わせる、と吐き捨てるように言う。それがマイクを通して小屋中に響く。日本語の怪しいおねえさんがやって来て、おれに小さな紙きれを渡した。プーランクのフルート・ソナタなど数曲が並んでいる。一番下には今夜のお値段だ。これは払えないな、と思っていると、目が覚めた。

その小屋は、時々、夢の中に現れる。山の中にあって体育館のように大きい。それはあのイメージと重なる。マナウスの鬱蒼と茂ったジャングルにかつてあったと言う、今もあるのかもしれない、オペラハウスだ。

バッハのパッサカリア

  • 2019/06/16 18:57
  • カテゴリー:音楽

バッハのパッサカリア(Passacaglia in c, BWV582)を初めて聞いたのは、学生時代に観た、映画「ホワイトナイツ/白夜」(米、85年)の中でだった。映画の冒頭、バリシニコフ扮する主人公ロドチェンコが舞台で踊る。その時の音楽が、その曲だった。

曲名を知ったのは、しばらく後のこと。就職して何年か経った頃、ファゴット吹きの友人が欧州土産にと、バッハのオルガン曲が入った CD をくれた。ハイラーの演奏(64年)だった。その中に、その曲が収録されていた。あ、バッハの曲だったのか、映画では電子音楽だった(?)のでオリジナル曲とばかり思っていたけれど、へぇオルガンの曲か、と気付いた次第。その際ついでに調べて、劇中ロドチェンコが踊ったのは、「若者と死」というバレエ作品(台本コクトー、振付けプティ、音楽バッハ)であることも知った。

さらに何年か経って、Lauriala という方が弾くピアノ編曲版が店頭で目に留まり買い求めた。ダルベール編、96年の演奏。その頃、パッサカリアづいていた。奈良のチェロ弾き D6 さんがオケ編曲版を送ってくれたのも、そう時期はずれていない。レスピーギ編、スラトキン指揮 BBC 響の演奏(99年)。著名なオルガン奏者ヴァルヒャの演奏(62年)もちょうどその頃に聴いた。

曲名を知ってから四半世紀、その間、最もよく聴いているのは、おそらく、Lauriala が弾くピアノ版だ。フィンランドのピアニストらしい、名前は何と発音するのだろうか。

# Mikhail Nikolaevitch Baryshnikov (1948-)、Anton Heiller (1923-1979)、Jean Cocteau (1889-1963)、Roland Petit (1924-2011)、Risto Lauriala (1949-)、Eugen D'Albert (1864-1932)、Ottorino Respighi (1879–1936)、Leonard Slatkin (1944-)、Helmut Walcha (1907-1991)

朝、昼、夕

  • 2019/06/03 22:07
  • カテゴリー:音楽

ハイドンが書いた三部作。交響曲第6番ニ長調「朝」、第7番ハ長調「昼」、そして第8番ト長調「夕」。今、フィッシャー指揮の演奏を鳴らしている。聴いていて楽しい、ファゴットのソロも出て来るし。ハイドンが30歳になる1762年までに書いた初期作品の中で聴くのはこの三つぐらい。聴くときは、たいがい三つ通して聴く。

昔の CM を思い出す。「明日(あした)に礼拝、夕べに感謝」と唱える CM だ。確か、仏壇か線香の宣伝だった。今でもやっているだろうか。当時、あしたは翌日のことであり、夕べは昨晩のこと、頑なにそう思っていたので、CM が言うのを聞くと、時間の流れがねじれているようで、不思議な感覚に囚われたものだ。

# FJ Haydn, Complete Symphonies, Adam Fischer (1949-) / Austro-Hungarian Haydn Orch, Recording: 1987-2001

六重奏曲「青春」

  • 2019/04/15 07:08
  • カテゴリー:音楽

ヤナーチェク晩年の室内楽曲。このモラヴィアの偉大な作曲家が、70歳になって、十代の頃の幸せな日々を思い出して(inspired)書いた、そんな事情がスコアに記されている。彼の晩年の曲のいくつかがそういう懐古的な傾向にある中、この曲のタイトルは、ずばり、「青春」(チェコ語 Mládí、英語 Youth)と題されている。

おれが最初に聴いたヤナーチェクがこの曲だった。高校時代のことだから、40年も前の話だ。曲の楽器編成が、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、そしてバスクラリネット。つまり、木管五重奏にバスクラを一つ加えた六重奏。木管奏者にとってこの曲は、どちらかと言うと、鑑賞する、よりは、演奏する対象だ。この曲でヤナーチェクを知った、そういう木管奏者は少なくないと思う。金管奏者にとってその位置にあるのは「シンフォニエッタ」だろう。冒頭のファンファーレだけを取り出して演奏することはままあることなので。

手元にある「青春」の音源の内よく聴くのは二つの演奏、Holliger (Ob) や、Thunemann (Fg) らの Basel Ensemble(86年)と、Quintette à vent Claude Debussy(96年)。後者ではバソンの音を聴くことができる。ただし、その音色はファゴットにかなり近い。奏者の好みだろうか、実際、その奏者 Laurent Lefèvre は、後にファゴットに転向してしまったらしい。

この曲のスコアは、IMLSP に登録されている。こちら → Mládí (Janáček, Leoš)。ここには Soni Ventorum Wind Quintet による音源(72年)もある。終わりに拍手が入っている、ライブ収録なのだろう。音質に難あるが、演奏は悪くない。

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