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キーワード「野中郁次郎」の検索結果は以下のとおりです。

戦略的思考とは何か

  • 2024/10/25 05:49
  • カテゴリー:読み物

対外侵略の意図も能力もなく、他面北からの脅威には敢然と抵抗する意思のある国が大陸本土と日本とのあいだに介在している-これほど日本の安全にとってありがたい条件はない

岡崎久彦著「戦略的思考とは何か」(中公新書、1983年、改版2019年)から(p23)

東アジアは、長い間、パックス・シニカと呼ばれる、シナの優越で平和が保たれている状態にあった。国土、人口、歴史どれも大きく長い。政治力や、経済力、軍事力、文化水準は周辺諸国を圧倒。そういうシナは、隋唐の頃、外征を好まない傾向を持つに至った。

シナと日本の間にあった朝鮮半島の人々はどうだったか。内向的で膨張政策をとったことがない。一方で北からの侵略に対しては驚くべき能力を発揮して防戦する。彼らの抵抗が主たる原因となって、シナは外征を不徳とする思想を確立した。

近代前、日本の平和は「例外的安定」だった。それは、大陸からあまりにも遠かったという地理的条件のほかに、中華帝国と朝鮮半島、両民族性によってもたらされたと言っても過言ではない。

本書第一章「伝統的均衡」にそんなことが記されている。この章を読むだけでも価値があるように思う。

オビには野中郁次郎氏の言葉が引かれている、「国家戦略不在の戦後日本に新たな地平を拓いた本書は、いまや現代の古典であり、リーダー必読の書である」。

野中郁次郎(サイト内)。中国のナショナリズム(p115)、トクヴィル(p132)

存在目的を果たすために

われわれはなぜ存在するのか。存在目的を果たすのにどんな知の体系が必要か

を、深く考え構想する。それがあれば何をやって何をやらないかの意思決定は速い。野中郁次郎一橋大名誉教授のインタビュー記事から(nikkei.com、10/7)。

示唆に富んだ記事だ。さらに抜き書きしておこう。「行動が軽視され、本質をつかんでやりぬく野性味がそがれてしまった」。「計画や数値目標は、現状維持の経営には役立つかもしれないが、改革はできない」。組織の底流にある問題、「戦略のあいまいさ、短期志向、集団主義、縦割り、異質性の排除」。「個人に眠る暗黙知を集団で共有」「徹底した対話を経て、暗黙知を言葉や論理による形式知に変換」、それを実践し「個人の暗黙知をもう一段高める」。「戦略的ナルシシズムの誤り」を犯さない。

ちょっと思い出した。野中郁次郎、伊丹敬之、加護野忠男、三氏は経営学の三羽烏と呼ばれると聞いたことがある。が、今、3人のお名前と三羽烏とweb検索してみても、それらしい記載はヒットしない。そう称されたのは随分昔のことなんだろうな。

失敗の本質知略の本質(いずれもサイト内)。企業の失敗、野性喪失から 「失敗の本質」の著者説く(10/7)

知略の本質

  • 2021/07/22 06:37
  • カテゴリー:読み物

相反しながらも相互補完的な性質を持つ二つの要素は、両極の一方のみがつねに正しいのではなく、どちらも一面的には正しいのであり、両者を相互作用させながら、情況と文脈に応じて両者の重点配分を変えつつ、ダイナミックに実践し、有効であることを実証してこそ真理である

二項対立(dichotomy)ではなく、両者の利点を生かす二項動態(dynamic duality)。野中郁次郎ら著「知略の本質-戦史に学ぶ逆転と勝利」(日本経済新聞出版社、2019年)から(p374)。「失敗の本質」に始まる四部作の第4巻。

企業の場合、例えば、利益を、ステークホルダへ配分するのか、それとも内部留保して研究開発や設備への投資に備えるのか、そのバランスということになるだろうか。ここに経営の賢愚が如実に表れる。

「実践知リーダーシップの六要素」(p381)、1) 共通善、2) 現実直観、3) 場づくり、4) 物語り化、5) 物語り実現、6) 実践知組織化。これを見てコッターが唱える「変革の8段階」のことを思い出した。

失敗の本質(サイト内)。J・P・コッター「企業変革力」

失敗の本質

  • 2020/11/27 07:02
  • カテゴリー:読み物

日本軍の下士官兵は頑強で勇敢であり、青年将校は狂信的な頑強さで戦うが、高級将校は無能である

ノモンハンで日本軍を圧倒した、ソ連第一集団軍のジューコフ司令官がそう評価した。野中郁次郎ら著「失敗の本質-日本軍の組織論的研究」(中公文庫、91年)から(p68)。最寄り図書館では郷土コーナーにこの本はある。第一章の事例研究で沖縄戦も題材になっているからだ。

1941(昭和16)年からの大戦と、それまでの諸戦とは繋がりのない別物、ずっとそう思って来た。自分の中に断絶があった。日露に始まる、日本における20世紀の戦争は、一連の大きな流れとして捉え直すべきではないだろうか、あくまでも自分にとってそうすべきという意味だけれど、ここしばらく、そんな風に思っている。

静かなノモンハン独ソ戦ビジネス書十選(いずれもサイト内)

ビジネス書十選

  • 2019/11/28 06:16
  • カテゴリー:読み物

シリーズ十選、今回はビジネス書を10冊選んでみよう。

「理科系の作文技術」(木下是雄、中公新書、81年)。最初読んだのは83年、大学3年の時。以来何度開いたことか、特に口頭発表のところ。スライド(ppt)の構成、その勘所をこの本で学んだ。

「失敗の本質」(野中郁次郎ら、中公文庫、91年)。組織が失敗を繰り返すのであれば、その体質に問題がある。よって、失敗の本質を探ることで、組織改革の手がかりが得られる。最初に勤めた会社の研修ですすめられた。

「組織の盛衰」(堺屋太一、PHP研究所、93年)。ずっと続く事業や企業はない。その事実を認識することは、新規開発を担当する者にとって強力な動機となる。

「経営者の条件」(P・F・ドラッカー、ダイヤモンド社、95年)。成果をあげるにはどうすれば良いか。時間管理や、コミットメント、優先順位、意思決定など、基本中の基本が説かれる。原題、"The Effective Executive"

「僕はこうやって11回転職に成功した」(山崎元、文藝春秋、02年)。著者ほどではないにせよ、おれも複数回の転職を経験した。その際にこの本は大いに参考になった。そもそも転職すべきなのか、するとしたらそのタイミングは、条件交渉はどうする、など。

「7つの習慣」(S・コビー、キングベアー出版、96年)。重要だけれど急がない案件、それを可視化するツール「時間管理マトリックス」をこの本で知った。Ivy Lee Method とともに、おれにとって必携のツール。Ivy 云々を最初に見たのは野口悠紀雄著「超」整理法シリーズでだったと思う。

「経営戦略を問いなおす」(三品和広、ちくま新書、06年)。この本との出会いはたまたまだった。南千住図書館の新着本コーナーに並んでいるのを借り来て読んだ。そのしばらく後に受講生が募集された社内ビジネス・スクールに応募した、それはこの著者、三品先生が監修、講義するものだった。

「経営革命大全」(J・ボイエットら、日本経済新聞社、99年)。ポーターら著名な Guru 達は何を説いたのか、それをどう使えば良いのか、その限界はどこにあるのか。原書の題は、"The Guru Gide: The Best Ideas of the Top Management Thinkers"

「ジョン・コッターの企業変革ノート」(J・P・コッターら、日経BP社、03年)。かなり実践的な、変革のための7ステップ、が示される。原題 "The Heart of Change" は、正鵠を得ている。

「プロ弁護士の思考術」(矢部正秋、PHP新書、07年)。この本は処分せずに今でも手元に置いている。正解よりも選択肢を求める(p55)、パレートの法則で人を見る(p102)、反対意見に学ぶ(p130)。

検索「十選」(サイト内)、The Death of Competition(J・F・Moore、Harper Paperbacks、97年)

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