天空の蜂
- 2020/03/01 07:38
- カテゴリー:読み物
(原子炉容器は)どんな重量物を落下させても、またどんな爆発物を使っても、壊せるものじゃありません。
役所の技術者が断言する(p113)、絶対に大丈夫だと。爆発物が投下されることや航空機が落ちて来ることすらシミュレートしたことがない(p100)にもかかわらずそう言い切る。この辺りを読みながら、例の原子力安全委員会委員長のことを思い出した。2011年3月、彼が爆発しませんと言った原発はその日の内に水素爆発を起こしたのだった。上の引用は、東野圭吾著「天空の蜂」(講談社、95年)から。
「個人の主義主張なんか、あんまり意味がない。自分の立っている地面がどういう色をしてるかによって、その人間の色も決められてしまう」(p222)、「男というのは女と違って、いつまでたっても昔の仕事のことが忘れられない」(p155)、「国全体が、原発という飛行機に乗っているようなものだ」(p310)、「沈黙する群衆」(p466)、使用済み核燃料プールの天井は「薄い板一枚である」(p496)。
# 福島原発で何が起こったか、メルトダウン(いずれもサイト内)、班目春樹 - Wikipedia