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2025年04月の記事は以下のとおりです。

THE 陰翳礼讃

  • 2025/04/05 06:16
  • カテゴリー:読み物

秋、紅葉すると言いながら、そう簡単に美しい紅葉があるわけじゃない。手入れが要る。日本人は生活の中に沢山の手入れをする。そして、それを愛でながら生きて来た民族だ。

建築家・安藤忠雄氏が語る。NHKの番組「THE 陰翳礼讃 谷崎潤一郎が愛した美」から。

日本人は生活の中に沢山の手入れをする。和室、障子越しの光が美しい。それも人々の心がそこに籠められるているからだ。暗さも明るさも双方を備えた陰翳が、心の宿る場所をつくり出す。我々日本人は、それを知っている。そういう豊かな、精神の豊かな、場所に住みたいと思う。と。

谷崎潤一郎が「陰翳礼讃」でどう書いているか見てみよう。「われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造する」。「いかに日本人が陰翳の秘密を理解し、光りと蔭との使い分けに巧妙であるかに感嘆する」。

その建築家は、日本人は、日本人は、と語っていた。一方、谷崎は、日本人と東洋人、両方の言葉を使っている。きっちり区別しているのか、にわかには判らない。今度また丁寧に読んでみることにしよう。

世界に響け職人の心意気(サイト内)。谷崎潤一郎「陰翳礼讃」|青空文庫、「THE 陰翳礼讃 谷崎潤一郎が愛した美」(NHK総合、3/29 0:50-)、「攝陽随筆」(1935年)

ラジオと総動員帝国

マスメディアは需要に合わせて供給が行われるような面があるので、国民が求めていることを伝えるということが、どうしても起きやすい。どんどん需要と供給が相互に作用することによって、一つの見方しかできなくなる。

牧野邦昭教授(慶應義塾大学経済学部)がそう語る。NHKの放送100年特集「ラジオと総動員帝国~旧満州の放送音源が問いかける教訓」後編(3/20)から。

満州事変は国際法違反である、という説は、日本放送協会(NHK)のラジオ放送で伝えられることは一切なかった。当時、協会は逓信省の傘下にあったため、当然、国に都合の悪い説は流さない。しかし、それだけではなかったのだ。

満州を手放せという国際社会からの圧力に抵抗する国民感情があった。ロシアなどとの戦争で多くの犠牲を払って獲得した満州だ。そこは血で贖った土地だ。易々と手放すようなことができるはずない。英霊に申し訳ない。

国民がそういう物語を求めていた。ラジオはその需要に応えて、満州で多くの犠牲を払ったと繰り返し伝える。満州を手放したくない国民の気持ちは、益々、高まって行く。

そういうお話だった。のだが、それもこれも国や軍部が書いたシナリオではなかったのかと邪推してしまう。満州は日本のものだと、直接、語りかけるだけでなく、じわりじわりと国民の気持ちをそっちの方へ向けさせて行く、そんな高等なテクニックを駆使することを誰かが考えたのではなかろうか。

旧統一教会に解散命令Re: 中居氏問題でフジ会見明治天皇という人(いずれもサイト内)。コンコルド効果(sunk cost effect)、放送100年特集「ラジオと総動員帝国~旧満州の放送音源が問いかける“教訓”~」前後編(NHKラジオ第一、3/20 21:05-)【アナウンサー】野村優夫【語り】柴田祐規子

リワインドタイム

  • 2025/04/03 05:36
  • カテゴリー:音楽

キーワードに繋がる、懐かしく、そしてまた新鮮にも聴こえるポップミュージックをお楽しみください。今回のキーワードは、

NHK-FMの「リワインドタイム」はそう始まる。これまでのキーワードは、「四季」「太陽と月」「星」「空」「雨」「海」「川・河」、そして今放送中の「風」。ユーミンの「埠頭を渡る風」がかかっている。

どの回も、はっとするような曲が並ぶ。なかなかいい選曲だ。

例えば、「太陽と月」だと、ビートルズの"Here Comes The Sun"や、スティーヴィー・ワンダーの"A Place In The Sun"があるかと思えば、美空ひばり「真赤な太陽」や、青い三角定規「太陽がくれた季節」があったりする。オードリー・ヘプバーンが唄う"Moon River"も採られていた。

「雨」の回で、「黄昏のビギン」の前奏が聞こえて来た。あ、と思った。この前奏は水原弘のオリジナルではなくて、そうそう、ちあきなおみのカバー。これがとてもいい。「傘も差さずに、僕たちは、歩き続けた雨の中♪

同じ回で「アカシアの雨がやむとき」が流れた。印象的なトランペットの前奏に続いて、藤圭子の声を期待したけれど、こちらは西田佐知子、オリジナルだった。

ところで、この番組のオープニング曲は、The Art Of Noise "Robinson Crusoe"という曲らしい。この旋律は何か別の曲で聴いたことがあるように思う。そうか、あれだな。

光る君へ(34)(サイト内)。「リワインドタイム」▽「太陽と月」(NHK-FM、3/25 9:15)、「雨」(同、3/31 5:00)、「風」(同、4/3 5:00)

東ドイツとフジテレビ

東ドイツでは色々な事が上手く行かず、間違いがあったことも分かっている。でも私たち東ドイツ国民は皆、同じ船に乗って、ともに生きていた。私もその中で力を尽くした一人なのです。

旧東独スケート界の女王、カタリナ・ヴィットがそう言う。その国を採り上げた、NHKのドキュメンタリー「東ドイツ 監視国家 41年の闇」(3/31)から。

ヴィットは、ナチスのゲシュタポに匹敵するシュタージという組織によって、ずっと監視されていた。スポーツ国家である東独にって、スター選手の彼女に西側へ亡命されると痛手になるからだ。しかし、ヴィットは、何度もその機会がありながら亡命しなかった。その国に生きたことを肯定的に語る。東独という船に乗り、尽力したのだと。

同じ31日、フジテレビが設けた外部弁護士による第三者委員会が報告を行った。中居正広氏による同社アナウンサーへの性的暴力の件。会社が、性加害に加担した、そういう調査結果だったようだ。

新聞の社説を読んでいると、「ハラスメントは全社的に蔓延」「倫理観が欠如した会社全体の病弊」(東京新聞、4/1)という記載があった。この会社にとって、そんなこと当たり前だったわけだ。皆で同じ船に乗っていた。

東ドイツという船は沈んだ。果たしてフジテレビ丸はどうなる。

中居氏問題でフジ会見善き人のためのソナタ(いずれもサイト内)。映像の世紀バタフライエフェクト「東ドイツ 監視国家 41年の闇」(NHK総合、3/31 22時)

4月1日

共同通信の「今日は何の日?」を開いた。○年前にどんなニュースがあったか古い写真とともに知らせている。

消費税の記事がある。4月1日に始まったとか、1989年のこと。3%だった。「百貨店では釣り銭用に大量の一円玉を用意したが不足するほどの事態となった」と伝えている。

買い物すると、1円単位のおつりをくれる。計算ずくで、ゆとりがない。消費税って、世知辛いものだな、当時そんなことを思ったものだ。

1989年4月1日ということは就職してちょうど2年が経った日。36年後の今日、2025年4月1日も、還暦後に労働市場に戻って丸2年が経過。3年目が始まる、両者にそれ以上の何か共通点があるかと考えたけれど、特に思い当たらない。

平成の休刊史定年後(中公新書、17年)(いずれもサイト内)。【今日は何の日】4月1日のニュース

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