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定家の原本発見

定家の時代から800年を経て、いまだこうした発見があることに、日本の奥行きがあるといえよう。

藤原定家の自筆本が見付かった。古今和歌集の注釈書「顕注密勘」。歌学者の顕昭による注釈に、定家が自説を付け加えたもの。引用は、産経新聞の社説「定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい」(4/21)から。

子孫の蔵の中で見付かったのだとか。襖や屏風の下張りに埋もれていたわけではない。ましてや土中から発掘されたわけでもない。蔵に収められた特別な箱に入っていたのだ。

おそらく、その箱に何が入っているかは判っていたけれど秘されていたのだろう。なぜ今になって「発見」なのだろうか。社説は事情を明らかにしないが、「傷みがひどく」云々あたりに真相がありそうだ。国宝級の古文書をこれ以上損なうわけにはいかない、存在を世に知らしめて、専門家による修理、保存を進めようと。

そう考えてみると、引用部分にある「日本の奥行き」という妙なコメントは、痛烈な皮肉を言っているように読める。

# 藤原定家(1162-1241年)、顕昭(1130?-1209年?)、「定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい」(産4/21)

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