Re: 天皇と東大
- 2020/08/26 06:36
- カテゴリー:読み物
一つの国が滅びの道を突っ走りはじめるときというのは、恐らくこうなのだ。とめどなく空虚な空さわぎがつづき、社会が一大転換期にさしかかっているというのに、ほとんどの人が時代がどのように展開しつつあるのか見ようとしない。
ひどい知力の衰弱によって、考えることも見ることもできなくなる。今の日本は「もう一度そういう滅びの道のとば口に立っているのかもしれない」。立花隆著「天皇と東大-大日本帝国の生と死」下巻(文藝春秋、05年)から(p173)。この大部な上下巻をじっくり丁寧に読み、ちょっと食傷気味。次は軽い本にしよう。
いつにも増して多くの付箋を貼った。一か所、第60章「粛学の立役者、田中耕太郎の四面楚歌」から引いておこう。「真の敗因は本来開始すべからざる戦争(略)を敢て開始した点」にある。それは「正に国民の道徳的欠如」に因る。その反省から、田中は、戦後、教育改革に力をつくすことになった(p538)。
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