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沈没船からみる世界の歴史

  • 2024/05/27 06:03
  • カテゴリー:読み物

この機械の技術的な知識は古代のある時点で失われてしまう。後に同じような技術を使った機械が登場するのはビザンツ帝国とイスラム世界においてだが、アンティキテラ島の機械ほどの複雑な構造が再び世界に登場するのは、西暦14世紀になって機械式の天文時計が発達してからのことである。

古い沈没船が、ギリシャ本土の南端とクレタ島の間に位置するアンティキテラ島沖で発見された。この船の遺物に「青銅の塊のなかに変則レバーと思しきものが見つかった」。これがのちに「アンティキテラ島の機械」と呼ばれることになる。引用は、アラン・G・ジェイミソン著「沈没船からみる世界の歴史」(原書房、2023年)から(p47)。

県立図書館の新着コーナーにあるのを見かけた。そのタイトルを見て、アンティキテラ島沖の沈没船のことがきっと出ているだろうと思って借りて来た。

「アンティキテラ島の機械」を載せた船は紀元前60年頃に沈没した。残念ながら、その機械に関連する技術、知識は失われてしまい、同じような装置が次に出現するまでに千年を超える月日を要した。それほどの特別性を持つ機械だった。制作者はアルキメデスの可能性があると何かの本で読んだことがある。

ふと、山上憶良の偉大さを思った。憶良は万葉集の中で貧富の差について語っている。これが、わが国の文学でそのテーマを取り扱った最初だと言われる。8世紀のことだ。次に貧富の差を書いたのは江戸時代の井原西鶴。しかし憶良ほどの真剣な議論となると近代まで待たねばならなかった。8世紀から19世紀まで、ここにも千年の空白があった。

アンティキティラ島の機械|Wikipedia、山上憶良|Wikipedia

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