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世界で一番やさしい家具設計

コストを下げるために(略)材料の歩留まり、工程の効率化を検討するほうが得策だろう。「工程を省く」のではなく、工程の段取りを上手にやり、無駄をなくすことが重要だ。

和田浩一著「世界で一番やさしい家具設計」(エクスナレッジ、12年)から(p30)。ここで言う家具は、普通のテーブルや椅子などのことではなく、造り付けの家具、いわゆる造作家具のこと。この世界では、木材は合板が当たり前なんだな。

合板の歩留まりの話を一つ。ソファ(ベンチ)制作時の端材を利用して植木鉢置きを二台作った。一枚ずつある棚は、歩留まりを考えて、図のハッチ部分を使った。材は、15mm 厚、3x6 ラワン合板。表面の木目で言うと、一枚は縦使い、もう一方は横使い。無垢材では普通、長手方向と木目が直交する木取りは避ける。これが躊躇なくできるのは合板ならではのこと。

Ulmer Hocker もどき(サイト内)

Ulmer Hocker もどき

Ulmer Hocker のデザインを下敷きに、植木鉢などを置く台を作った。色違い二つ。オリジナルと相違する点がいくつかある。そもそも端材活用に主眼があるので、材料は無垢材ではなくラワン合板(15mm厚)。塗装あり。横幅が10cm長い(H44、W50、D30)。貫の代わりに棚、ビスケット接合ネジ止め。天板と側板は、あられ組みではなく三枚組接ぎとし、こちらもネジ止め。地面に当たる部分、石突きと言うのだろうか、は、オリジナル同様、別材(今回はチェリー)を嵌めた。前作ソファ(ベンチ)を塗装する合間に作り始め、ごく短期で完成。切断面の積層はむき出し(写真)、それも趣向か。

Ulmer Hocker – Wikipedia

塗りは木地なり

塗装職が行う素地調整の一つに水引き研磨がある。スポンジなどを使い、ぬるま湯を木地に塗布すると軽い擦り傷、打痕などは復元する。毛羽が立ち、塗装の大敵である接着剤も白く目立つので、ブラシなどで取り除き、よく乾燥させ、下ろし立てのよく切れるサンドペーパーを掛ける。

エクスナレッジムック「最高の家具をデザインする方法」(10年)の「家具塗装の選択ルール」から(p31)。水びきは時々見かける表現だ。湯びきと呼んでいる本にはまだ出合ったことがない。この本の副題 1) 材料からプランニング、ディテールまで、副題 2) 造作収納からキッチンまで[造付け家具]の設計マニュアル。

椅子

座位基準点、座の角度、背支持点、背の角度、肘の高さ、座の奥行きと背の高さ、前後脚の位置、

その順で基準線の上に書き入れた後、椅子の形状を(フリーハンドで)描いて行く。井上昇著「椅子」(建築資料研究社、08年、改訂版)の「図面作成の進め方」(p55-62)から。なるほど、そういう風にすればスマートだ。4月に作り終えた自作の椅子は、Jw-CAD 上で設計する際、なにせ初めての事で手順が分からず、手探りで描き進めたのだった。座面傾斜角などは、この本にも掲載されている「椅子のプロトタイプ1型」(p29)を参考にした。

ノコギリが基本

練習するならまずノコギリ、と師匠がおっしゃる。ノコの精度が上がると、後の工程、特にノミによる調整、が、ぐっと楽になる。作業時間が短縮できるばかりか、切断面が寸法通りにきっちり仕上がる。それは、最終的な出来栄えの良さにつながる。

ノコの重さを感じてそれを上手く使う、左手の指をガイドにして、最初はゆっくり小さく動かす、筋を付けた後に、ノコの柄をやや長めに持ち替える等々、ノコ挽きのコツを教えてもらっている時に、これは、他の手道具にも共通していることに気付いた。それは、白書きであり、ノミであり、カンナもか。いや、もしかしたら、もっと広く一般に通底する概念なのかもしれない、そんな風にも思った。中島敦の小説、「名人伝」だったか、その挿話がふと脳裏をかすめた。

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